160711-ADE2-12.jpg2016年からスタートしたAudi driving experienceの新プログラム、「Audi Circuit trial」に1to8.netの生方編集長が体験参加。トレーニングの成果は?

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「Training session」から2週間、ついにこの日がやってきた! 梅雨明けはまだ先だが、真夏の日差しが降り注ぐ富士スピードウェイで、いよいよトレーニングの成果を試すことになる。

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愛車のAudi車(ただし、安全上の理由からカブリオレ、スパイダー、ロードスターといったオープンモデルは不可)で参加することになるが、ノーマルならば特別な装備は不要というハードルの低さ。また、国内A級ライセンスや指定のサーキットライセンスを所持している人に加えて、ADEの160711-ADE2-22.jpg
160711-ADE2-24.jpgなお、Audi Circuit trialをはじめとするADEのプログラムを160711-ADE2-3.jpg160711-ADE2-4.jpg
午前10時30分からの1時間は、先導車付きでコースの確認を行う。実はAudi Circuit trialではクルマの負担やドライバーのリスクを軽減するとともに、クルマの性能差を埋めるために、ホームストレートは通過せず、また1コーナー先の下りにシケインを設けているのだ。正直なところ、これだけでも精神的にはグッと楽になるし、Audi TTS CoupeでもRSモデルと同じステージで戦えるというのはうれしいかぎりだ。

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そのうえ、実際のタイムトライアルでは、約1分ごとにクルマをスタートさせるために、基本的はクリアラップが取れる単独走行ができるし、他車と接触するリスクもないから、その点でも安心感はとても高い。

瞬間的とはいえ、富士スピードウェイをほぼ貸し切りの状態で走れるなんて、なんとも贅沢。反面、タイムトライアルは自分との戦いということで、まずはこの先導走行でしっかりラインを確認するとしよう。

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160711-ADE2-5.jpg先導走行は1組4〜5台で行われ、周回を終えるとポジションを変更することで各車が先導車の直後からブレーキングポイントやラインが確認できる。先導車が同じAudi TTS Coupeであるにもかかわらず、離されないように走るのがやっとの私だったが、タイムトライアルのヒントをたくさん手に入れることができた。
先導走行が終わると、午後のタイムトライアルを前に腹ごしらえ。前回同様、イタリア料理が用意されていたが、その美味しさに緊張感が緩む。ちなみにこのケータリングは「160711-ADE2-26.jpg160711-ADE2-27.jpg
美味しいパスタやドルチェでリフレッシュし、いよいよ午後のタイムトライアルへ。まずは1本練習で走ったあと、本番の走行を2回行う。その速いほうのタイムで順位が決まるというルールだ。つまり、チャンスは2回しかない。さらに、コースからの4輪脱輪やパイロンタッチはノータイムとなるから、走りには慎重さも求められる。

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トライアルの練習では、肩慣らしを兼ねてシフト操作をSトロニックに任せて走ることに。ドライブセレクトはダイナミック、ESCはスポーツを選ぶ。

グリーンフラッグを合図にスタート。直前のブリーフィングで今村インストラクターからあった「視野を広く、先を見て」というアドバイスを頭のなかで繰り返しながら、まずは1コーナーにアプローチ。ストレート途中からスタートしているということもあって、余裕を持ってブレーキングできるのがうれしい。

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160711-ADE2-13.jpg反対に感覚が掴みにくいのがその先の特設シケイン。一時的にパイロンでつくったものなので、どこでブレーキを踏み、どのくらいのスピードで通過したら良いのかわからないのだ。練習ではスピードを控えたために余裕でクリアできたが、本番ではパイロンギリギリを通過することも。
このあとの100Rでは慎重すぎたり、また、プリウスコーナーや最終コーナーではクリッピングポイントに寄せ切れないなどたくさんの課題を残しながらも、とりあえずは無事にフィニッシュ。参考タイムは2分05秒21だった。

これに対して、同じメディア枠で参加し、Audi RS 3 Sportbackで走行した「ル・ボラン」編集部のIさんは2分00秒34で、約5秒も差がついた。パワーの違いはあるものの、この差は大きすぎる。私のなかでは、「本番1本目では差を縮めてやる!」とめらめらと闘志が湧いてきた。

160711-ADE2-9.jpgそれにはどうすればいいか? 走りのヒントを与えてくれたのが、金子インストラクターによる走りの実況解説。ピットのモニターを見ながら参加者の走りをチェックしているのだが、「ここでもう少しアウトに」とか「このラインはいい!」といったコメントが自分の走りにも大いに参考になったのだ。またその軽妙なトークと和やかなピットの雰囲気に、少し肩の力が抜けた気がした。
そしてまもなく1本目のタイムトライアルの順番がまわってきた。練習ではSトロニック任せのシフトだったが、今回はシフトダウンはパドルを使うことにする。これでタイムが少しでも短縮すればいいのだが......。

グリーンフラッグとともにスタート。アクセル全開にするとすぐに1コーナーが迫り、「しっかり止まって加速で稼ぐように」との井尻インストラクターの言葉どおりに、慎重にコーナーに飛び込む。コーナーをクリアすると眼下にパイロンでつくられたシケインが見え、出口のパイロンをはね飛ばさないよう最新の注意を払いながら駆け抜けると、あとはいつもの富士スピードウェイが待ち構えている。

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あいかわらず100Rをモヤモヤしながら走るが、その先のヘアピンでは出口で思い切りアクセルを開けられたし、さらに300Rも全開で行けたりと、トレーニングの成果は確実に発揮できている。いいぞ、いいぞ!

ダンロップコーナーやプリウスコーナーも自分としてはまずまずの出来で、最終コーナーでクリッピングポイントに寄せきれないことを除いてもタイムアップは確実なはず。

そして結果はコンマ71秒アップの2分4秒50。一方、"仮想ライバル"のル・ボランIさんは1分59秒35でさらに差を広げられてしまった。

1本目の走行後、井尻インストラクターからは「2本目は1本目とは少し違うことに挑戦してみましょう。そして冷静に」というアドバイス。さて、どうしたものか?

「わりと冷静に走っているしなぁ」と思いながら、ふたたびAudi TTS Coupeのコックピットに戻る。ここで衝撃の事実が......。自分ではSモードで走っていたつもりが、実はDモードのままだったのだ。勝負ということで、どこかに焦る気持ちがあったのだろう。そんな、自分のマヌケさに呆れるやら、情けないやら......。

それでも、2本目の前に気づいたのはラッキーだった。気を取り直してSモードに切り替え、さらにESCがスポーツモードであることを確認。「1本目と違うことに挑戦」という課題にはエアコンオフで対応(笑) 果たしてタイムアップは?

スタート後、300Rを抜け、ダンロップコーナーまでは前2回よりもスムーズな走りができた。しかし、プリウスコーナーの進入で少し姿勢を乱し、さらに、最終コーナーではクリッピングポイントにはほど遠く、これではタイム更新は絶望的である......トホホ。

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意気消沈してピットに戻り、表示されたタイムを見ると......あれっ、イッキに3秒72アップの2分0秒78! 思わず飛び上がりたいほどうれしい数字だ。ル・ボランIさんはさらに1分58秒83までタイムアップしていたが、5秒強あった差が1秒95に縮まったのだ。

結果は、Audi R8、Audi R8、Audi RS 3 Sportback、Audi RS 7 Sportbackに続く5番手で、Audi TTS Coupeであっても、よりパワフルなRSモデルやSモデルと互角に戦えたのは驚きだった。

これでプリウスコーナーと最終コーナーをミスなく走り、さらに100Rをもう少し攻めることができたら、2分切りどころか、Audi RS 3 Sportbackに勝てるのではないか......などと妄想する私。もう1本走りたかったなぁ(笑)

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でも、限られた回数で実力を発揮するのがモータースポーツの難しさであり、醍醐味でもある。

それにしても、コースを全開で走る爽快感や勝負に挑む緊張感、走ったあとの充実感がなんともうれしく、和気あいあいとした雰囲気や心地よいホスピタリティとあいまって、結果はともかく、またすぐに参加したくなった。

次回のAudi Circuit trialは11月24日。「もう一度チャンスがあれば、次はベスト3に!」と心に誓いながら、私は富士スピードウェイをあとにした。

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(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Audi driving experience)

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