141006-TwinCup-10.jpg2014年10月3日、Audiのサービス技能コンテスト「Audi Twin Cup 2014」の日本代表選考会が東京・台場のホテルで開催された。2015年開催予定の「第11回 Audi Twin Cup World Championship」出場権は誰が手にするのか? 選考会の模様をお伝えする。 全国のAudi正規ディーラーのメカニックとサービスアドバイザーを対象に実施されるサービス技能コンテストがAudi Twin Cup。Audi Twin Cupには、メカニック3名がチームで挑むテクノロジー部門と、サービスアドバイザー向けのサービス部門の2つがあることから、"ツインカップ"という名が付けられたという。

サービスのクオリティを上げることが顧客満足度の向上につながり、ひいてはビジネスを成功に導く......という考えのもと、アウディ ジャパンではこのAudi Twin Cupを「サービススタッフの毎年のハイライト」と位置づけている。

今年は、112のAudi正規ディーラーから、テクノロジー部門に99チーム、サービス部門に171名のエントリーがあった。この中から事前選抜を勝ち抜き、日本代表を決める最終ステージに集まったのが、テクノロジー部門12チーム(36名)とサービス部門12名の計48名なのだ。

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この日の午前は写真撮影、開会式の後、部門ごとに二手に分かれて競技がスタート。こちらは、テクノロジー部門の実技競技の様子。チームごとにピットとトラブルを抱えた実車が用意されている。ここで、50分以内に故障診断し、必要な修理を施して、お客様に渡せる状態にクルマを仕上げなくてはならない。

トラブルの状況は「エンジンが始動しない」。ただエンジンが始動しないのではなく、新人のメカニックが作業後にエンジンが始動しなくなり、あれこれ悩んだ末に先輩メカニックに応援を頼んだという設定。ということは、人為的なミスの可能性が高い。

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会場内に笛の音が鳴り響くと競技開始。症状を確認するためだろうか、あちらこちらからスターターを回す音が聞こえてくる。もちろん、エンジンは始動しないのだが......。

その後は、さまざまなツールを使ったり、マニュアルを見ながら、故障の原因を探す作業に。3名が連携して、効率的に作業を進めなければ時間内にトラブルを解消するのは難しいはずなのだが、そんな状況下でも落ち着きを失わないベテランメカニックの姿が印象に残る。

開始から約35分が経過したころ、会場のどこかからスターターを回す音。そしてブウォンとエンジンが始動すると、会場には拍手が沸き起こった。修理完了だ。その後、他のピットからもエンジンの始動する音が聞こえてきた。

修理を終えた各チームは、取り外したエンジンルームのパーツなどを元に戻すなど、最後の仕上げにとりかった。

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実技競技が行われているあいだ、別室では残りのチームが学科テストを受けていた。実技と学科の合計点で順位が争われるだけに、参加者の表情は真剣だ。

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一方、また別の部屋では、サービス部門の実技競技が行われている。ここでは、1年点検で入庫してきた車両について状態を的確に把握することや、お客様が気になる不具合や疑問の解決、お客様からの依頼事項への対応などが試される。

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こちらも制限時間は50分だが、ざわざわとしたテクノロジー部門の会場とは対照的に、カウントダウンタイマーのカシャ、カシャという音しか聞こえないほど、室内は静寂に包まれている。与えられた課題をクリアすべく、黙々と作業を続けるサービスアドバイザーに鬼気迫るものを感じた。

サービス部門にも学科テストがあり、実技と合わせた点数で順位が争われるのはテクノロジー部門と同様である。

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テクノロジー部門、サービス部門ともに昼過ぎには競技が終わり、昼食、講評、ドライビングエクスペリエンスの後、いよいよ結果発表となる。

スーツに着替えた参加者たちが固唾を呑んで見守るなか、各部門の上位3チームが発表された。

テクノロジー部門では、1位がAudi みなとみらい(磯部伸広さん/本田秀男さん/増井洋介さん)、2位がAudi 江戸川(小林浩二さん/加藤正行さん/浅野修一さん)、3位がAudi 八王子(中嶋英行さん/内藤顕之介さん/先﨑和也さん)という結果に。このうち、1位のAudi みなとみらいだけが、世界大会に進むことになる。

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141006-TwinCup-20.jpgAudi みなとみらいの磯部さんに勝因を尋ねると「事前の練習でおのおのの役割分担を決め、そのとおりにできたのが大きかった」。さらに「今回、学科が弱いと感じたので、チームのみんなと新しい技術を学んで、世界大会に臨みたいと思います」とその意気込みを示してくれた。
一方、サービス部門は、1位がAudi 池袋の佐藤吉将さん、2位がAudi 板付の西本智一さん、3位がAudi 宇都宮の中田貴博さんに。サービス部門はこの3名が日本代表チームのメンバーになる。

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141006-TwinCup-16.jpg優勝したAudi 池袋の佐藤さんは「今回、初めてサービス部門にエントリーしたので、まさか優勝するとは思っていませんでした。本当に驚きです。Audiは新しい技術が多いので、しっかり学んで世界大会に臨みたい」と語った。
2014年7月の世界大会ではサービス部門で優勝を果たした日本代表。それだけに、2015年大会ではサービス部門とテクノロジー部門のツインで、世界一の座に輝いてほしいものだ。

(Text by Satoshi Ubukata)

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