150310-Geneva-09.jpgジュネーブ・モーターショー2015が、市内パレクスポ会場で3月15日まで開催されている。 プレスデイに先立って開催された前夜祭「フォルクスワーゲン グループ・ナイト」で喝采を浴びたコンセプトカーの1台といえば、Audiの「prologue Avant」である。

2014年ロサンゼルス・ショーの2ドアクーペ・コンセプト「prologue」で提示されたAudiの最新デザイン言語を、今度は全長5.11mの5ドア・ボディに投影したものだ。「スポーツネス、高品質、先進性」がテーマである。近未来のA6以上のシルエットを示唆していることは確実であろう。

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パワートレインは、後述するAudi Q7 e-tron quattroに搭載される3.0TDIターボディーゼル・プラグインハイブリッド4WDで、電気モーターの力を借りて455psを発生する。

リヤホイールは低速操舵時、フロントホイールと逆位相に最大5°まで切れて旋回性能を向上させる機能が付加されており、おおらかなサイズをもつボディの取り回しをアシストする。

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そしてもう1台会場を沸かせたのは、フルモデルチェンジされて2代目に進化したR8クーペである。V型10気筒5.2L FSIエンジンは標準の540psと、Plusと称する610psの2タイプが用意される。新開発のquattroは、状況により最大100パーセントのトルクを前輪または後輪に伝達することが可能だ。

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しかしR8における何よりの話題は、軽量化だ。進化したアウディ スペースフレームは、カーボンファイバー部材をより積極的に採用した。その結果、新型はさまざまな新機構を付加しているにもかかわらず、重量は従来型と比較して最大50kgも軽くなっている。

新型R8の傍では、そのコンペティション仕様で、2016年からのGT3レギュレーションにも適合したR8 LMSも発表された。

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そうしたスポーティーなイメージが溢れるなかで、新型RS 3 Sportbckも公開された。こちらの自慢は、5気筒RS史上もっともパワフルな367psエンジンと、従来比で0.3秒短縮された0-100km.h加速(4.3秒) である。

いっぽうでAudiは、環境対策車に対しても、引き続き真面目なアプローチを欠かさない。

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150310-Geneva-08.jpgQ7 e-tron quattroは、A3 Sportback e-tronに続くAudi製プラグイン・ハイブリッド市販車の第2弾であり、セグメント初のディーゼル・プラグインハイブリッド4WDである。EVモードでの航続可能距離はクラス最長の56kmを誇る。デリバリーは、2016年春からドイツのディーラーで開始される予定だ。
ジュネーブ・モーターショーは今年で第85回を迎えた。この伝統ある自動車の祭典にあわせて、毎年市街のショコラティエ(チョコレート店)には、自動車をかたどった特製チョコが並ぶ。

それらの大半は漫画風にデフォルメしたものだが、今年あるショコラティエのウィンドーには、明らかにAudi TTをモティーフにしたものが飾られていた。非公式なだけに、逆にAudiに対する根強い人気を表しているといえる。

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気になるお値段は120スイスフラン(約1万9000円)。筆者にとっておいそれと手が出せる代物ではない。

たとえ手に入れても、食べるのがもったいなくて、夏になって溶けてローダウン仕様になるまで飾っておくことだろう。

(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)

大矢アキオ  イタリアコラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒業。自動車誌『SUPER CG』編集記者を経てトスカーナ州シエナ在住。『イタリア発シアワセの秘密-笑って!愛して!トスカーナの平日』(二玄社)ほか著書多数。NHK『ラジオ 深夜便』現地リポーターとしても十年以上にわたり活躍中で、老若男女犬猫問わず幅広いファンがいる。

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