180402-S耐.jpg2018年4月1日、三重県の鈴鹿サーキットにおいて、ピレリスーパー耐久シリーズ2018第1戦「SUZUKA S耐 春の陣」の決勝レースが行われ、#45 プリズマ☆イリヤ RS3が3位表彰台を獲得した。

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新しいツーリングカーレースとして世界的に流行の兆しを見せる「TCRシリーズ」。日本でも昨シーズンからスーパー耐久シリーズが「ST-TCR」クラスを新設し注目を集めている。

今シーズンも「Audi RS 3 LMS」は、「Volkswagen Golf GTI TCR」と「Honda CIVIC TYPE R」に勝負を挑む。

Audi RS 3 LMSは、昨年より1台増えて3台のエントリーになった。#19 BRP★Audi Mie RS3 LMSがHIROBON/YOSSY/篠原卓朗/奥村浩一、#45 プリズマ☆イリヤ RS3が竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵、#75 m-1 CARFACTORY RS3 LMSLMSが塚田利郎/蘇武喜和/石崎敦士/清瀧雄二の各選手がステアリングを握る。

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Golf GTI TCRは、昨年同様、#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRの1台がエントリー。AドライバーがPhilippe Devesa選手、Bドライバーが密山祥吾選手という布陣にも変わりはない。

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Honda CIVIC TYPE Rは、旧型のFK2が1台、そして、新型のFK8が2台の計3台。新型のポテンシャルがどこまで高められたのか、気になるところだ。

なお、今シーズンからタイヤがヨコハマのワンメイクからピレリに変更となっている。

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決勝前日の3月31日、汗ばむほどの陽気に恵まれた鈴鹿サーキットでは予選が行われた。予選はAドライバー、Bドライバーごとに20分走行し、A/Bドライバーのベストラップの合計タイムでスターティンググリッドが決まる。

ここで速さを見せたのが、19号車のHIROBON/YOSSY組で、45号車の竹田/白坂組に1秒82差をつけてポールポジションを獲得した。

予選結果は次のとおり。

1 #19 BRP★Audi Mie RS3 LMS HIROBON/YOSSY 4'29.948
2 #45 プリズマ☆イリヤ RS3 竹田直人/白坂卓也 4'31.768
3 #97 Modulo CIVIC TCR(FK8) 植松忠雄/中野信治 4'31.853
4 #10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCR Philippe Devesa/密山祥吾 4'32.124
5 #75 m-1 CARFACTORY RS3 LMS 塚田利郎/蘇武喜和 4'43.921
6 #98 FLORAL CIVIC TCR(FK8) 飯田太陽/加藤寛規 4'33.729
7 #96 B-MAX Engineering CIVIC TCR(FK2) TAKUMI/SYUJI 4'40.620

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決勝当日の4月1日も、初夏を思わせる好天に恵まれた。昨年の大会より1時間長い5時間耐久は、12時20分、ローリングスタートにより戦いの火蓋が切られた。

さっそくスタート直後に波乱が起こる。ST-TCRクラストップの19号車RS 3が、1周目、最終コーナー手前のシケインでクラッシュし、そのままレースを終えてしまったのだ。スーパー耐久シリーズは今シーズンからセーフティカーに代えて全コースで速度制限を行うFCY(フルコースイエロー)を採用するが、このアクシデントがその最初の適用になってしまった。

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レース序盤は、45号車RS 3の白坂選手、97号車CIVICの植松選手、10号車Golfの密山選手が上位集団を形成。周回を重ねるにつれて、45号車RS 3がリードを広げる一方、2位を争う97号車CIVICと10号車Golfのバトルが激しさを増していった。

スタートから約1時間20分が過ぎたところで、先頭を走る45号車RS 3がピットストップし、ドライバーは白坂選手から田ヶ原選手に。その後、10号車ゴルフがPhilippe選手に、97号車CIVICが大津選手にそれぞれ交替する。

上位3台が1回目のピットストップを終えた時点で、トップは45号車RS 3。これに、97号車CIVIC、10号車Golfが続く。各ドライバーともに快調に周回を重ね、そのままの順位で中盤を迎えた。

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スタートから約2時間40分が経過したところで、トップの45号車RS 3が2回目のピットストップを行い、ドライバーは竹田選手に。次の周には10号車もピットストップし、再び密山選手がステアリングを握る。この時点で、97号車CIVICが暫定トップに立ち、45号車RS 3が2位、10号車Golfが3位となった。

2回目のピットストップからわずか5周後、45号車RS 3のドライバーがマシーンの異常を訴えて予定外のピットストップを行う。これにより、45号車RS 3が3位に後退。その後、ようやく2回目のピットストップで中野信治選手にドライバー交替した97号車CIVICはトップのままコースに復帰する。

97号車CIVICと10号車Golfの差は約25秒。そして、周回を重ねるにつれて、10号車Golfの密山選手は97号車CIVICとの差を縮めていき、レース開始から3時間半が経過した時点では差は約6秒にまで迫っていった。一方、後続の45号車RS 3との差は約50秒へと開き、トップ争いは97号車CIVICと10号車Golfの2台に絞られていく。

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その直後、FCYが導入されると、97号車CIVICは前回からわずか13周にもかかわらず3回目のピットストップを敢行。FCY導入中にうまくピットストップを行えば、タイムロスが少なくて済むからだ。

小林崇志選手に交替した97号車CIVICは、FCYが解除された時点で10号車Golfの約40秒後方の位置に。一方、暫定トップに立った10号車Golfの密山選手は97号車CIVICを上回るペースで差を広げ、最後のピットストップに備える。

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そして、レース残り50分というところで、10号車Golfが最後のピットストップを行い、Philippe選手にステアリングを託す。Philippe選手の10号車Golfは、97号車CIVICの約50秒後方でコースに復帰。昨年、SUPER GTのGT500クラスで戦っていた小林選手とほぼ同じラップタイムを刻んだPhilippe選手だったが、97号車CIVICに追いつくことはできず、2位でチェッカードフラッグを受けることになった。白坂選手がドライブする45号車RS 3は3位でレースを終えた。

ST-TCRクラスのレース結果は次のとおり。

1 #97 Modulo CIVIC TCR(FK8) 植松忠雄/中野信治/大津弘樹/小林崇志
2 #10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCR Philippe Devesa/密山祥吾
3 #45 プリズマ☆イリヤ RS3 竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵
4 #98 FLORAL CIVIC TCR(FK8) 飯田太陽/加藤寛規/濱口 弘
-  #96 B-MAX Engineering CIVIC TCR(FK2) TAKUMI/SYUJI/吉田基良
-  #75 m-1 CARFACTORY RS3 LMS 塚田利郎/蘇武喜和/石崎敦士/清瀧雄二
-  #19 BRP★Audi Mie RS3 LMS HIROBON/YOSSY/篠原卓朗/奥村浩一

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レース終了後、45号車を率いるAudi Team DreamDriveのチーム代表兼監督の澤田栄宏氏は、「前半は気持ちよく走ることができましたが、5時間のレースですから、何が起こるかわかりませんね。悔しい結果になりましたが、今回のレースを振り返りながら、次の菅生の3時間は勝ちを目指してがんばります」とコメントした。

次戦のピレリスーパー耐久シリーズ2018 第2戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」は4月28日〜29日に開催される。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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