2012年6月16日15時(現地時間)にスタートした第80回ルマン24時間レースの決勝は、アウディR18勢が1-2-3フィニッシュを決め、表彰台を独占した。
17日15時過ぎ、4台のアウディR18が隊列を整えながらコントロールラインを通過。アウディとしては11回目の総合優勝を決めた。
378周を走り、ハイブリッド車として初めての勝利を手に入れたのは、ロッテラー/トレルイエ/フェスラー組の#1 アウディR18 e-tron quattro。2011年の優勝メンバーである。
2位は、1周遅れでカペロ/クリステンセン/マクニッシュ組の#2 アウディR18 e-tron quattroが獲得した。
そして3位は、TDIエンジン搭載の#4 アウディR18 ultraを駆るボナノーミ/ハビス/ロッケンフェラーの3人。ジュネ/デュマス/デュバルの#3 アウディR18 ultraはトップから11周遅れの5位で完走している。
【1位】 #1 アウディR18 e-tron quattro
ロッテラー/トレルイエ/フェスラー
周回数:378周
【2位】 #2 アウディR18 e-tron quattro
カペロ/クリステンセン/マクニッシュ
周回数:377周
【3位】 #4 アウディR18 ultra
ボナノーミ/ハビス/ロッケンフェラー
周回数:375周
【4位】 #3 アウディR18 ultra
ジュネ/デュマス/デュバル
周回数:366周
◆◆◆ ゴールまでの経過 ◆◆◆
【1時間目】
15時にスタートしたレースは、オープニングラップで#2のマクニッシュが#8のトヨタをパスして1位:#1 ロッテラー、2位:#3 デュバル、3位:#2 マクニッシュの1-2-3体制を築く。その後、#2のマクニッシュが2位に浮上。
一方、#3のデュバルは左リアタイヤのパンクにより5位に順位を落とす。3位、4位は#7、#8のトヨタが着け、ハイブリッドのマシーンが上位4位を占める。
#4のロッケンフェラーはリアサスペンションのチェックに手間取り周回遅れ、10位に。
【2時間目】
#1のロッテラーは順調に周回を重ね、トップをキープ。#2のマクニッシュは2位を守り、クリステンセンにステアリングを委ねた。#3はトヨタのピットストップ中に3位に浮上。#4のロッケンフェラーは7位までポジションを上げた。
【3時間目】
ロッテラーからトレルイエにドライバー交替した#1は引き続きトップを守る。#2はクリステンセンがハンドリングの異常を訴え、ピットストップの際にマシーンをガレージ入れてチェック。約5分後にレースに復帰する。
18時の時点で、#1は2位の #7 トヨタに対して約40秒のアドバンテージを手に入れた。3位が#8のトヨタ。4位が#3のデュマス。#4のボナノーミは6位に。
【4時間目】
#1のトレルイエは#7のトヨタの差をさらに広げ、19時の時点で1分13秒先行する。4位の#3 デュマスと3位の#8 トヨタとの差は1分24秒。#2が5位、#4は6位で周回を重ねる。
【5時間目】
トップを快走していた#1のトレルイエだが、#7のラピエールの追い上げに遭い、バトルの末にトップを明けわたし、20時の時点でコンマ608秒のリードを許す。
19時35分、#3のデュマスがGTカーをパスする際に接触してタイヤバリアに激突。右フロントのサスペンションにダメージを負いながらもピットまで戻る。
#2はクリステンセンからカペロにドライバー交替。順位は4位。#4がこれに続く。
【6時間目】
3位を走っていた#8のトヨタが、ミュルサンヌ手前で#81のフェラーリをパスする際に接触し、大クラッシュ。これによりコースは約1時間15分にわたりセーフティカーが先導するかたちに。この間、2位の#1はトレルイエからフェスラーにドライバー交替。迅速なピット作業により1位でコースに復帰する。#2のカペロは4位をキープ。#4はボナノーミからハビスにドライバー交替、順位は4位。#3はマシーンの修理を終えて、ジュネのドライブでレースを続行することに。
【7時間目】
セーフティカーがピットに戻った直後のポルシェカーブで、#1のフェスラーを追う#7の中嶋が、本山が運転する#0 日産デルタウイングに接触。この事故で、結局は#7と#0はともにリタイアとなる。#2のカペロは2位、#4のハビスは3位にそれぞれ浮上。再びトップ3位を独占することになった。
#3は7周遅れの22位に。
【8時間目】
依然、#1のフェスラーがレースをリード。2位の#2はカペロが第2シケインでスピンを喫するが、順位を落とすことなくマクニッシュにドライバーチェンジ。#4のハビスは3位、#3のジュネは6位まで順位を回復する。
【9時間目】
1位の#1がフェスラーからロッテラーに、3位の#4がハビスからロッケンフェラーに、6位の#3がジュネからデュバルにそれぞれドライバー交替。2位の#2のカペロはルマンのピットで48歳のバースデイを迎えた。
【10時間目〜11時間目】
アウディR18は全車順調に周回を重ねていく。0時58分、#2がマクニッシュからクリステンセンにドライバー交替。1時10分には#1がロッテラーからトレルイエに、1時15分にはデュバルからデュマスに、1時30分には#4がロッケンフェラーからボナノーミにそれぞれドライバー交替している。
【12時間目】
トップの#1に対し、2位の#2がタイム差を41.9秒まで縮める。#1はトレルイエからフェスラーにドライバー交替。#4は3位をキープ。
#3のデュマスは周回遅れのマシーンを追い越す際に接触しスピン。リアボディの修復のためピットインを強いられる。
【13時間目】
#3のデュマスは見事な追い上げを見せ、5位までポジションを回復する。
アウディR18の1-2-3体制は変わらず、3時43分にはトップの#1が200周を走り終えた。2位の#2はクリステンセンからマクニッシュにドライバー交替。3位の#4はボナノーミからハビスへ。
【14時間目】
#1のフェスラーがポルシェカーブでスピンし、タイヤバリアに接触。確認のためピットインするが、マシーンにダメージはなく、ロッテラーにドライバー交替して再びコースへ。この間にトップは#2のマクニッシュに。5時の時点で両者の差は17秒630。
#4のハビスは2周遅れの3位。#3はデュマスからジュネにドライバー交替。トップから9周遅れの5位。
【15時間目】
トップの#2はマクニッシュからカペロにドライバー交替。その後、#1のロッテラーがトップを奪い返す。#4のハビスが3位、#3のジュネは5位と変わらず。
【16時間目】
1位が#1、2位が#2、3位が#4、5位が#3と順位は変わらず。#4がハビスからロッケンフェラーにドライバー交替。
【17時間目】
トップ3台が順調に周回を重ねる一方、追い上げを見せる#3は、途中ジュネから交替したデュバルがファステストラップをマーク。
#1はロッテラーからフェスラーへ、#2はカペロからクリステンセンにドライバー交替。
【18時間目】
#1のフェスラーが、ミュルサンヌに停止していたGTマシーンを避けようとしてコースアウト。このときリアカウルを損傷してしまう。給油の際にカウル交換を行い、この間に#2のクリステンセンがトップに躍り出る。
#3のデュバルはファステストラップを更新し、ポジションを4位にアップ。#4はロッケンフェラーからボナノーミにドライバー交替。順位は3位をキープする。
【19時間目】
各車とも順調に周回を重ねる。10時時点の順位は1位:#2、2位:#1(トップとの差は38秒261)、3位:#4(同2周)、4位:#3(同9周)
ドライバーは、#3がデュバルからデュマスへ、#2がクリステンセンからカペロへ交替。
【20時間目】
#1がトレルイエに、#2がマクニッシュにドライバー交替し、この2台がトップ争いを繰り広げる。
#4はギアボックスのトラブルでスローダウンを強いられ、ピットインから17分後にコースに復帰。その際、ドライバーはハビスに交替。
【21時間目】
#1と#2はピットインのタイミングが異なるため、そのたびに順序を入れ替え、12時の時点では#1のトレルイエが#2のマクニッシュに3秒034まで迫る。
#3と#4のR18 ultraは順調にレースを進める。
【22時間目】
4位を走行していた#3のジュネが、ユノディエールの第1シケインでタイヤバリヤに突っこみ、フロンのカウルと右フロントのサスペンションを損傷する。懸命にピットを目指すが、その直後に#2のマクニッシュがポルシェカーブでクラッシュ、ピットストップを強いられる。#2のクラッシュによりセーフティカーが約30分にわたり投入される。
ピットクルーの懸命な作業により、#2そして#3はコースに復帰。その驚異的な修復の早さには舌を巻く。
13時時点の順位は1位:#1、2位:#2(トップとの差は1周)、3位:#4(同3周)、5位:#3(同10周)
【23時間目】
14時時点の順位は1位:#1、2位:#2(トップとの差は1周)、3位:#4(同3周)、5位:#3(同12周)と変わらず。
#1はロッテラー、#2がクリステンセン、#4がロッケンフェラーに交替。
【24時間目】
#3のドライバーがデュバルに交替。その後は予定どおりに周回を重ね、ゴールの3時に近づく頃には4台のR18が隊列を整え、揃ってフィニッシュラインを超えた。
(Text by Satoshi Ubukata)
378周を走り、ハイブリッド車として初めての勝利を手に入れたのは、ロッテラー/トレルイエ/フェスラー組の#1 アウディR18 e-tron quattro。2011年の優勝メンバーである。
2位は、1周遅れでカペロ/クリステンセン/マクニッシュ組の#2 アウディR18 e-tron quattroが獲得した。
そして3位は、TDIエンジン搭載の#4 アウディR18 ultraを駆るボナノーミ/ハビス/ロッケンフェラーの3人。ジュネ/デュマス/デュバルの#3 アウディR18 ultraはトップから11周遅れの5位で完走している。
【1位】 #1 アウディR18 e-tron quattro
ロッテラー/トレルイエ/フェスラー
周回数:378周
【2位】 #2 アウディR18 e-tron quattro
カペロ/クリステンセン/マクニッシュ
周回数:377周
【3位】 #4 アウディR18 ultra
ボナノーミ/ハビス/ロッケンフェラー
周回数:375周
【4位】 #3 アウディR18 ultra
ジュネ/デュマス/デュバル
周回数:366周
◆◆◆ ゴールまでの経過 ◆◆◆
【1時間目】
15時にスタートしたレースは、オープニングラップで#2のマクニッシュが#8のトヨタをパスして1位:#1 ロッテラー、2位:#3 デュバル、3位:#2 マクニッシュの1-2-3体制を築く。その後、#2のマクニッシュが2位に浮上。
一方、#3のデュバルは左リアタイヤのパンクにより5位に順位を落とす。3位、4位は#7、#8のトヨタが着け、ハイブリッドのマシーンが上位4位を占める。
#4のロッケンフェラーはリアサスペンションのチェックに手間取り周回遅れ、10位に。
【2時間目】
#1のロッテラーは順調に周回を重ね、トップをキープ。#2のマクニッシュは2位を守り、クリステンセンにステアリングを委ねた。#3はトヨタのピットストップ中に3位に浮上。#4のロッケンフェラーは7位までポジションを上げた。
【3時間目】
ロッテラーからトレルイエにドライバー交替した#1は引き続きトップを守る。#2はクリステンセンがハンドリングの異常を訴え、ピットストップの際にマシーンをガレージ入れてチェック。約5分後にレースに復帰する。
18時の時点で、#1は2位の #7 トヨタに対して約40秒のアドバンテージを手に入れた。3位が#8のトヨタ。4位が#3のデュマス。#4のボナノーミは6位に。
【4時間目】
#1のトレルイエは#7のトヨタの差をさらに広げ、19時の時点で1分13秒先行する。4位の#3 デュマスと3位の#8 トヨタとの差は1分24秒。#2が5位、#4は6位で周回を重ねる。
【5時間目】
トップを快走していた#1のトレルイエだが、#7のラピエールの追い上げに遭い、バトルの末にトップを明けわたし、20時の時点でコンマ608秒のリードを許す。
19時35分、#3のデュマスがGTカーをパスする際に接触してタイヤバリアに激突。右フロントのサスペンションにダメージを負いながらもピットまで戻る。
#2はクリステンセンからカペロにドライバー交替。順位は4位。#4がこれに続く。
【6時間目】
3位を走っていた#8のトヨタが、ミュルサンヌ手前で#81のフェラーリをパスする際に接触し、大クラッシュ。これによりコースは約1時間15分にわたりセーフティカーが先導するかたちに。この間、2位の#1はトレルイエからフェスラーにドライバー交替。迅速なピット作業により1位でコースに復帰する。#2のカペロは4位をキープ。#4はボナノーミからハビスにドライバー交替、順位は4位。#3はマシーンの修理を終えて、ジュネのドライブでレースを続行することに。
【7時間目】
セーフティカーがピットに戻った直後のポルシェカーブで、#1のフェスラーを追う#7の中嶋が、本山が運転する#0 日産デルタウイングに接触。この事故で、結局は#7と#0はともにリタイアとなる。#2のカペロは2位、#4のハビスは3位にそれぞれ浮上。再びトップ3位を独占することになった。
#3は7周遅れの22位に。
【8時間目】
依然、#1のフェスラーがレースをリード。2位の#2はカペロが第2シケインでスピンを喫するが、順位を落とすことなくマクニッシュにドライバーチェンジ。#4のハビスは3位、#3のジュネは6位まで順位を回復する。
【9時間目】
1位の#1がフェスラーからロッテラーに、3位の#4がハビスからロッケンフェラーに、6位の#3がジュネからデュバルにそれぞれドライバー交替。2位の#2のカペロはルマンのピットで48歳のバースデイを迎えた。
【10時間目〜11時間目】
アウディR18は全車順調に周回を重ねていく。0時58分、#2がマクニッシュからクリステンセンにドライバー交替。1時10分には#1がロッテラーからトレルイエに、1時15分にはデュバルからデュマスに、1時30分には#4がロッケンフェラーからボナノーミにそれぞれドライバー交替している。
【12時間目】
トップの#1に対し、2位の#2がタイム差を41.9秒まで縮める。#1はトレルイエからフェスラーにドライバー交替。#4は3位をキープ。
#3のデュマスは周回遅れのマシーンを追い越す際に接触しスピン。リアボディの修復のためピットインを強いられる。
【13時間目】
#3のデュマスは見事な追い上げを見せ、5位までポジションを回復する。
アウディR18の1-2-3体制は変わらず、3時43分にはトップの#1が200周を走り終えた。2位の#2はクリステンセンからマクニッシュにドライバー交替。3位の#4はボナノーミからハビスへ。
【14時間目】
#1のフェスラーがポルシェカーブでスピンし、タイヤバリアに接触。確認のためピットインするが、マシーンにダメージはなく、ロッテラーにドライバー交替して再びコースへ。この間にトップは#2のマクニッシュに。5時の時点で両者の差は17秒630。
#4のハビスは2周遅れの3位。#3はデュマスからジュネにドライバー交替。トップから9周遅れの5位。
【15時間目】
トップの#2はマクニッシュからカペロにドライバー交替。その後、#1のロッテラーがトップを奪い返す。#4のハビスが3位、#3のジュネは5位と変わらず。
【16時間目】
1位が#1、2位が#2、3位が#4、5位が#3と順位は変わらず。#4がハビスからロッケンフェラーにドライバー交替。
【17時間目】
トップ3台が順調に周回を重ねる一方、追い上げを見せる#3は、途中ジュネから交替したデュバルがファステストラップをマーク。
#1はロッテラーからフェスラーへ、#2はカペロからクリステンセンにドライバー交替。
【18時間目】
#1のフェスラーが、ミュルサンヌに停止していたGTマシーンを避けようとしてコースアウト。このときリアカウルを損傷してしまう。給油の際にカウル交換を行い、この間に#2のクリステンセンがトップに躍り出る。
#3のデュバルはファステストラップを更新し、ポジションを4位にアップ。#4はロッケンフェラーからボナノーミにドライバー交替。順位は3位をキープする。
【19時間目】
各車とも順調に周回を重ねる。10時時点の順位は1位:#2、2位:#1(トップとの差は38秒261)、3位:#4(同2周)、4位:#3(同9周)
ドライバーは、#3がデュバルからデュマスへ、#2がクリステンセンからカペロへ交替。
【20時間目】
#1がトレルイエに、#2がマクニッシュにドライバー交替し、この2台がトップ争いを繰り広げる。
#4はギアボックスのトラブルでスローダウンを強いられ、ピットインから17分後にコースに復帰。その際、ドライバーはハビスに交替。
【21時間目】
#1と#2はピットインのタイミングが異なるため、そのたびに順序を入れ替え、12時の時点では#1のトレルイエが#2のマクニッシュに3秒034まで迫る。
#3と#4のR18 ultraは順調にレースを進める。
【22時間目】
4位を走行していた#3のジュネが、ユノディエールの第1シケインでタイヤバリヤに突っこみ、フロンのカウルと右フロントのサスペンションを損傷する。懸命にピットを目指すが、その直後に#2のマクニッシュがポルシェカーブでクラッシュ、ピットストップを強いられる。#2のクラッシュによりセーフティカーが約30分にわたり投入される。
ピットクルーの懸命な作業により、#2そして#3はコースに復帰。その驚異的な修復の早さには舌を巻く。
13時時点の順位は1位:#1、2位:#2(トップとの差は1周)、3位:#4(同3周)、5位:#3(同10周)
【23時間目】
14時時点の順位は1位:#1、2位:#2(トップとの差は1周)、3位:#4(同3周)、5位:#3(同12周)と変わらず。
#1はロッテラー、#2がクリステンセン、#4がロッケンフェラーに交替。
【24時間目】
#3のドライバーがデュバルに交替。その後は予定どおりに周回を重ね、ゴールの3時に近づく頃には4台のR18が隊列を整え、揃ってフィニッシュラインを超えた。
(Text by Satoshi Ubukata)