130508-RAYS2-01.jpgVOLK RACINGの名にふさわしいパフォーマンスを誇りながら、美しさを追求するGシリーズの最新作「G27」。鍛造ホイールの美を極めるG27に注いだ情熱を、RAYSの山口氏が語る。 ■鍛造ホイールの美を極める

鍛造ホイールに求められるパフォーマンスのみならず、美しさをも手に入れたVOLK RACINGのG27。欧州のプレミアムカーにはまさに打ってつけのプロダクトだ。

「G27には、"一度やってみよう"ということを詰め込みました。コストが上がることも厭わずにね。統計によれば、アルミホイールは年間1300万本売れますが、そのうちのほとんどが中国製のスノーホイールです。日本製のアルミホイールはわずか6%といわれています。つまり、せいぜい80万本というレベル。その一方で、一般の方が生涯でアルミホイールを買うのは2〜3回。だから、いいホイールに出会ってほしい。たとえば、"アウディA5を買ったんだから、それに似合うホイールをつけたい"という人を満足させるような製品を、われわれRAYSの手で世に送り出したかった」。

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■センターパッケージを選択した理由

センタパッケージ方式のデザインはG27の特徴のひとつだ。従来のVOLK RACINGのイメージとかけ離れたこのデザインを採用した理由は?

「美しさを追い求めると、センター部はできるだけコンパクトにしたい。しかし、アルミホイールには5穴という制約があり、また、PCDも120mmは確保したい......。そうなるとおのずと必要な強度が見えてきます。そういった条件を満たしながら、センター部をできるだけ小さく、さらにデザイン性を追い求めたらセンターパッケージ方式に辿りついた。この美しさ、そして、この強度は、他のメーカーが簡単に真似できるものではありません。センターパッケージも、丸形のほうが簡単ですが、あえて難しい花形にしてデザイン性を高めています」。

RAYSが誇る優れた製造技術がこのデザインを支えているというわけだ。

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細く美しいスポークにもRAYSの高い技術が見え隠れする。

「よく見るとスポークが5角形になっているのがわかるはずです。これにより、どの角度からも十分な光が得られるようにしています。センターのボリュームを小さくつくりましたが、十分に迫力があり、大きなクルマに装着したときでもそのボディサイズに負けないのは、そのためです。細いスポークには、ハリウッド女優が履く"20cmヒール"のような美しさと危うさがあるんですが、もちろんVOLK RACINGの名にふさわしく、高い強度と安心を確保しています」。
  
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力強さと美しさが共存するG27。2×7というスポークがその名前の由来だ。

「G27はV字が7個あわさった新しいカタチ。目に馴染むんですが、実はこれまでありそうでなかったデザイン。センターキャップに向かって攻め込むところに新しさがあります」。

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■VOLK RACINGの目指すもの

技術的な壁を乗り越えながら、あくまでお客さまの手の届く製品を送り出すRAYS。

「一般には、鍛造よりも鋳造のほうがデザインの自由度が高い。もちろん"アメリカ鍛造"のようにビレットを削り飛ばしてつくればデザインは無限大ですが、それで1日1本しかつくれないから価格が15万、20万でもいい、という考え方もあります、しかし、それはVOLK RACINGの考え方とは違う。そもそもVOLK RACINGは"みんなのレーシング"なんですよ。つまり、高性能のホイールを、われわれの努力と工夫でより身近なものにするというが、考え方のベースにあるんです」。

そのために、独自のデザイン金型鍛造を生みだし、日々新たな技術に挑戦するRAYSなのだ。

「VOLK RACINGのホイールは、インセットが戦略的に設定できるのが強みです。実際、タイヤサイズとリム幅を密接に考えているのでアイテム数が多い。それを満足させないと、ロングボルトとスペーサーで対応ということになりますが、われわれとしては、できるかぎりソリッドに装着してほしいんです。そのため、ワンピースだけど、組み立てホイールと同じレイアウトが取れるような設計にしています。そうすることで、ひとつの素材からいくつも組み合わせができるようになり、たとえば、同じインチで7.5Jも8Jも8.5Jもできて、また、ハイインセットからローインセットまでできる。これにより、タイヤな最適なサイズのホイールが提供できるとともに、お客さまには余分な金型代を払ってもらわずにすみます。

反面、こんな面倒なことをやっているので、"納期が遅い"とお客さまからお叱りを受けることもありますが(笑)」。 

130508-RAYS2-03.jpgユーザーが満足するホイールを提供したい......そんなRAYSの思いが、このG27にもこめられているのだ。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hiroyuki Ohshima)

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