150924-RAYS-10.jpg北関東エリアで高い人気を誇る欧州車専門チューニングショップ「J Factory」の横塚 章代表とセールスマネージャーの森 啓玲氏が、RAYSの山口浩司プロデューサーと対談。「ZE40」、そしてRAYSについて、スポーツ走行を得意とするチューニングショップならではの視点で語った。 ■RAYSとJ Factoryの出会い

山口 そもそもVOLK RACINGのGシリーズをつくるきっかけになったのが、横塚さんでした。いまから5年前のことですね。

横塚 その前にRAYSが輸入車専用ホイールをつくるというので、その販売店を募集していて加盟したんです。そのあと、たまたまAudi S6のお客さまが来店して、RAYSを装着したのが始まりでしたね。

山口 それ以前は、GT-Rやランサーを走らせている人たちだけを見ていればよかったんですが、2010年あたりから欧州車で本気で走る人を意識しながら、商品の充実を図ってきたんですよ。

150924-RAYS-8.jpg横塚 私は今年で54歳なんですが、自分たちが20歳くらいのころは、クルマ好きの大人たちは輸入ホイールを履くことにこだわっていました。いまでもその人たちは変わらないですが、僕たちの世代は日本がクルマで世界を取り、それにあわせて日本でつくった日本車用のホイールを見て育ったわけです。

そのひとつがRAYSなんですが、その日本のブランドが輸入車用を本気でやりはじめたおかげで私たちのような輸入車向けのショップがようやく扱えるようになりました。
山口 欧州車をイジるときには"韻"を踏まないといけないみたいなところがあるんですが、横塚さんのように自由にパーツを選びたいという"反骨の人"もいますからね。

横塚 その後、J Factoryに森が加わり、2代目Audi TTでサーキットを走るようになりました。そのときにちょうど山口さんが訪ねてきて、「これのサイズは?」といってつくってくれたのがG2でしたね。

山口 自分たちのスタイルで街を走りたいとか、サーキットを走りたいけどホイールがないから「RAYSでやってよ」といわれ、じゃあやりましょうということになった。忘れもしないですよ、そこからですからね!

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横塚 そうですね。おもだったショップは皆アメリカやヨーロッパに買い出しに行きましたが、森と私は日本で探しました。TTの性能が上がり、森がスキルを上げるのにともない、サーキットではハードブレーキ時にどうしてもブレーキが悲鳴を上げるとか、タイヤがズレて回ってしまうとか、いろんな問題がどんどん出てきました。そこで、「エンドレス」からブレーキを手に入れ、RAYSを履かせると、470psのTTで富士の1コーナーに突っ込んでもタイヤがズレなかった。そのうえRAYSのホイールだと、パッと入っていける。クルマによってはタイヤが半周してしまったり、ステアリングを切っても、そのとおりにトレースできないという問題が出てくるのに。

山口 昨今のタイヤはグリップが高いので、タレも少ない。低い内圧で使うと、ハードブレーキ時にどうしてもタイヤがズレる。タイヤとホイールが接する部分にローレット加工を施すのは親切というか、おもてなしですね。

横塚 RAYSは常に先をいっていたんです。自分たちが新たに課題にぶち当たったときに、すでに回答を用意してくれているのがRAYSなんですよ。自分たちのレベルが上がってはじめて、RAYSのホイールづくりがわかることもある。自分たちが躓きかけても、RAYSのホイールが答えを教えてくれるんです。

150924-RAYS-7.jpg山口 ホイールを提供する側としても、使い切ってもらえるのはうれしいですよ。

VOLK RACING TE37 ULTRAに関しては13Jまで対応できるように、金型をつくっています。まだ13Jがほしいとはいわれないけど(笑) それをほしいといわれて、即座に「できますよ」といえるのがRAYSの強みなんです。
横塚 VOLK RACING ZE40が出たときも驚きましたね。自分たちが用意したキャリパーがちゃんと入る。「さすがRAYS、わかっていらっしゃる!」ということで、多くのお客さまがZE40に履き替えましたね。RAYSは全世界の速い人たちが使うから、トレンドを先取りしていますよね。自分たちもそれになんとか追いついていこうと一生懸命がんばると、さらに先でRAYSが待ち構えているという感じ。

「こういうのがほしいんだけど」というと「ありますよ!」と返事がかえってくる。RAYSとのこういう距離感やスピード感は、世界中の仲間から羨ましがられます。今回、パートナーショップということでカタログにはない18×10Jをつくってもらったんですけど、同じクルマが2秒速くなりました。

山口 パートナーショップから実験的にいろいろ試してみたいというリクエストがあれば、実際につくることもあるんです。それが良ければ、のちのちカタログモデルとして販売できるわけですから。

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横塚 お客さまも喜びますよね。自分の限界をホイールで2秒更新できるわけですから。「買ってよかったよ!」って。

山口 うちのホイールだけでは速くなりませんが(笑)

横塚 世界で一番いい物を探すと、全部RAYSが持っているんです。すべての答えを先に用意して、われわれを待ち構えているので、自分たちのスキルが上がるほど、RAYSの凄さが見えてくるんです。そういうところが、自分たちにとってはうれしいところですね。いま弊社の森が「IROM」というブランドでTT用のパーツを展開しようと開発していて、マフラーやサスペンションをつくっていきたいと。おそらく極限まで太いタイヤを履きたいという希望が出たときに、またそのときはぜひご協力お願いします(笑)

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■プロショップの心意気

横塚 J Factoryでは、自分たちが履いて、安心、大丈夫というのを地元のお客さまに率先して見せていきたいと考えています。それを見て、量販店で同じ商品を扱うようになっても、それはそれでいいと思うんです。

山口 8割の人は安くていいものを買いたいと思っているわけで、J Factoryに来るお客さまも、そう思っているはずです。J Factoryは、適切なタイヤを選んでお客さまに提供するぶん量販店に比べると割高に見えるんですが、お客さまは最終的に「J Factoryで着けてよかった」と思う。他で安く買えたとしてもある程度の金額になりますから、それで乗った瞬間にフィーリングが悪かったら、台なしですよ。

最近は良いタイヤをつけるお客さまが増えていますが、そうじゃないと、RAYSの本当の良さはわかりません。価格重視のタイヤだとタイヤがたわみますから、ホイールの剛性をいくら上げてもあまり効果が現れない。反対に良いタイヤを履けば、操舵感も全然違ってくるわけです。これからプロショップが生きて行くには、ここが重要なんですよ。僕らのホイールもそこに懸けていますしね。

横塚 RAYSに最適なタイヤを履かせると、絶妙な肌触り感があるんです。どこがいいのか上手く表現できないんですが......。

山口 ホイールが"やわ"でたわむと、肌触りがよくない。ここに鼻薬をつけると、気持ちよくなるというところは、心得ていますから。

150924-RAYS-9.jpg横塚 プロショップというとお客さんからは敷居が高く見えて、「J Factoryに行くなら、最低でもここまでやっておかないと」と思われがちです。でも、ノーマルで来てほしい。純正タイヤにRAYSを履かせるところから始めていいんです。それで、RAYSに履き替えるとこんなにタイヤが食いつくんだと感じてもらえたら、まずはそれでいいんです。

山口 いろいろ経験があるから、そういえるんですよね。やったことがなければわからない。ZE40も、タイヤがノーマルなら10Jを履かず8.5Jで十分楽しめる。10Jまでやっているからわかることです。

商品を提供する側としても、ニュルブルクリンクのVLNレースを含めていろいろなレースを経験して、やったことがあるからいろいろできるわけです。やったことがないというのは、一番良くない。ニュルブルクリンクのVLNはひどい峠道のレースで縁石も高い。そこに数年前から行くようになったあたりから、ZE40をつくろうと思いましたからね。
横塚 サーキットは、ストリートで走るうえでも重要なことが、たくさん経験できる。森が自分でつくって、自分で走らせた経験は、お客さまにとっても大切な財産だと思いますね。

山口 善くも悪くもニュルブルクリンク。日本のショップもあそこを目指して、本気で走ってみるといいですよ。

 軽さだけを狙ったホイールだと、動きがダルかったり、1年くらい履いたらバランスが取れなくなったりしますが、RAYSは違いますからね。

山口 軽いのがみんな好きなんですが、ZE40をもっと軽くしてくれという話には、断固として拒んでいます。軽いホイールは街中の負荷のかからないところを走るだけなら十分ですが、サーキットではその軽さが武器にならない。ホイールがたわんで、ふにゃっと感じた瞬間に怖くなってしまう。ニュルブルクリンクに来たプロドライバーが「RAYSのホイールはパーンと切ったらパーンと曲がる」といってくれたんですが、そういうことですね。

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横塚 ところで、最近若い仲間がホイールをつくり始めているんですけど、その要望を聞いて原価を試算したら40万円くらいになってしまいました。売値を考えると、果たして買える人はいるのだろうかと心配になります。その性能がRAYSなら10万円で手に入るのに。

山口 うちは高いといわれるんですが(笑)

横塚 でも、性能を考えたらむしろ安いくらい。それをみんながなかなか気づいてくれないのが、もどかしいですね。世界を渡り歩いて、世界中の人からいわれたことを受け止めているRAYSならではの実力。それが、自分たちは普通に手に入るのは幸せなことですよ。

山口 日本料理の老舗が街の弁当屋を開いているようなものですよ。同じ"のり弁"でも普通ののり弁とは比べものにならないくらいいいシャリを使って、海苔も有明の高級品で......という感じですかね。たくさんはつくれないけど(笑)

横塚 アメリカで開かれるAPRのミーティングには世界中のショップやチューナーが集まるんですが、「お前たちはいいよな、RAYSが簡単に手に入るから」といわれるんですよ。本気度が高い人たちほど、ほしいホイールが手に入らないといって困っている。そんなチューナーたちもRAYSの良さを理解していますからね。「オレなんてRAYSの偉い人を知ってるぞ」といつも自慢しています(笑)

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(Text by Satoshi Ubukata)

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