160317-VW-01.jpg世界的に見ると、2016年1月〜2月のフォルクスワーゲン グループの販売台数は前年比で1.4%増えたという。それに対し、日本はフォルクスワーゲンが23%、アウディが19%減っている。この違いはなぜ?
フォルクスワーゲンが3月11日に発表したのが下表のデータ。お膝元のドイツや西ヨーロッパでは販売台数が増加しており、「ヨーロッパでは、2月に好調な販売を記録した」(プレスリリース)とグループセールス責任者のフレッド・カップラー氏がコメントするほどだ。

 市場別販売台数

2016年2月

2015年2月

対前年比(%)

2016年1〜2月

2015年1〜2月

対前年比(%)

 ヨーロッパ

312,000

295,200

+5.7

604,600

582,700

+3.8

 西ヨーロッパ

262,300

246,200

+6.5

510,800

487,800

+4.7

       ドイツ

105,400

97,900

+7.7

195,100

187,200

+4.2

 中央・東ヨーロッパ

49,700

49,000

+1.6

93,800

94,900

-1.2

       ロシア

12,400

14,900

-17.0

22,100

28,700

-23.0

 北米

62,300

64,000

-2.5

123,400

127,200

-2.9

       米国

37,700

40,700

-7.2

74,200

79,800

-7.1

 南米

34,100

46,000

-26.0

70,600

99,900

-29.3

       ブラジル

21,700

33,700

-35.8

45,200

72,200

-37.4

 アジア太平洋

254,000

263,000

-3.4

681,200

644,300

+5.7

       中国

227,400

231,600

-1.8

627,500

583,100

+7.6

 

 

 

 

 

 

 

 全世界

693,300

701,500

-1.2

1,541,100

1,519,100

+1.4


一方、ブラジルは1〜2月が前年に比べて4割近く落ち込んでいるが、これはブラジルの景気後退により自動車販売全体が2割減少しており、さらに、新規参入ブランドによりGM、フォルクスワーゲン、フォードといった老舗ブランドのシェアが軒並み下がったことが原因だ。

ロシアの不振も景気後退の影響が大きいという。
  
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一方、日本では輸入車(外国メーカー)の1〜2月の販売は1.5%の減となったとはいえ、前年比でがフォルクスワーゲンが77.3%、アウディが81.0%というのは、あまりにも落ち込みが大きい。2015年上半期(4月〜9月)の販売台数が前年比でフォルクスワーゲンが96.9%、アウディが105.3%だったことを考えると、やはり排ガス問題が尾を引いているということになる。

ただ、この排ガス問題に関しては、日本に正規輸入されたフォルクスワーゲン/アウディは無関係だったし、日本のユーザーには何の不都合もなかった。いま販売されている新車も問題がないどころか、他のブランドよりも優れたクルマが多い。

それでも売れないのは、日本の多くの輸入車ユーザーが、その性能ではなく、ブランドやモデルのイメージでクルマを買っているからだろう。皆さんのようにクルマに興味を持ち、その性能の違いがわかる人ならともかく、ほとんどの人は「このブランドのほうがかっこいい」とか「このブランドのほうが安心」ということでクルマを選んでいる。

おかげで、中身が変わらなくても、ブランドイメージが低下しただけでクルマは売れなくなるし、反対にうまく上辺をつくろえば、それだけで売れることもある。

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だからこそ、本質を見きわめよう......なんてエラそうなことをいいたい私も、クルマ以外に関してはイメージ先行でモノを選んでしまっているわけだが、少なくともクルマに限っては、その価値を見きわめる感覚を磨き、確かで楽しい情報を伝えていきたいと思う。

(Text by S.Ubukata)

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