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運転席の彼女
090906hanamori003.jpg夏の終わりのある日。その日は仕事が終わる頃に素敵な女性が近くまでクルマで迎えに来てくれる予定になっていました。


前日の夜から心はウキウキで、一日の仕事も軽やかな気分でこなし、待ち合わせの時間を迎えたのでした。足取りも軽く待ち合わせ場所、海沿いの大通りへ。「彼女のクルマは黒だったはず...」しかし、周りを見渡しても黒いクルマは見当たらず、停まっているのは大きな観光バスとその先に白く光るクルマが一台。

と、その時メールが一通。彼女から。
『白い車に変わりました。』

「あのキラッと光る白いクルマね!」 足早近づいていくにつれ、その後ろ姿がはっきりと見えてくる。スマートでスポーティかつ上品な佇まい。きれいで優しい笑顔の彼女は、いつもと変わらない女性らしさを漂わせ、アウディTTの運転席で待っていてくれました。「素敵なクルマだねえ!」と高揚する私に、「次に乗るのはこのクルマがいいなと前から思っていたの」と彼女。「足回りがしっかりしていて思い通りの走りが出来るし、手元にシフトレバーがあってすぐにシフトチェンジができるのよ」女性らしさの中にはじけるような遊び心のあるかわいい人。

090906hanamori002.jpg「中華街でご飯食べて行こうか」という事になり、ビビットな赤いライトに囲まれたカーナビで目的地を横浜方面に設定して出発。安定感と余裕のある彼女の運転は、助手席の私に心地よい安心感を与えてくれます。クルマの運転の仕方には、ドライバーの内面が表れる気がします。スピード感や切れのあるドライビングをする人。ゆったりと流れるような運転をする人。その両方を兼ね備え、使い分ける人。道の譲り方や譲られ方。時間の観念。大胆さや繊細さ。助手席にいるといろいろな事が伝わってくる。もちろん運転席にいても助手席や後部座席の人をいろいろと感じられる。
男性が運転をしていて、助手席側の道路に小さな窪みがあった時になにげなくよけてくれたり、ちょっと強めにブレーキを踏んでしまった時に小さく「ごめん」と言ったりすると、グッときたりする。同時に自分は人に対してそんな細やかな思いやりを持てているだろうかと思ったりする。

ロングドライブの運転中に、助手席の母が手作りの唐揚げを口に入れてくれた時の、この上ない美味しさ。

16才になる実家の猫はドライブが好きで、たいていは後席で眠ったり景色を眺めたり大人しくしているのだけれど、信号が赤になった時や給油中だけ運転席にやってきて甘える。

クルマという空間の中で、相手に対する様々な気持ちが行き交う。

運転席の彼女は、中華街の近くに駐車場を見つけてスマートにクルマを停めてくれました。細い路地にある「慶福楼」というお店は、酢豚に八宝菜、スープも杏仁豆腐もみんな本格的に美味しくて、しかもリーズナブルで、大満足でした。おススメです。

それから鎌倉方面の「湯快爽快」という温泉へ。ネーミングについてはノーコメントですが、ここは源泉100%の黒いお湯の天然温泉。味も匂いもないけれど、コーラのような、濃い目の麦茶のような、黒豆の煮汁のような、初めて見るお湯の色でした。温度が低めなので長くつかっていられて、あれこれおしゃべりしているうちにいつの間にか1時間半も浸かっていましたが、それでものぼせる事もなく、日頃の疲れもモヤモヤもスッキリ。美肌の湯と言われる重曹泉だそうで、お肌もすべすべです。

090906hanamori001.jpgそして、夏の終わりのプチ・ヴァカンスは、この後逗子へと続くのでした。このドライブツアーは彼女が提案してくれました。思いやりと包容力に溢れ、あらゆる選択肢の中にあっても自分自身でしっかりと選んでいけるしなやかな芯を持ち、どんな時にも笑いを忘れない。線の細い外見に似合わずたくさん食べるところもとってもキュート。

運転席の彼女は、私の憧れです。

(Text by S.HANAMORI)
◆花守 志織(はなもり しおり)
証券会社営業、フォルクスワーゲン アウディのショールームの受付等を経て、現在は自動車メーカーのプレス発表会や車両展示会、モーターショウでのナレーションをはじめ、各種企業のプレゼンテーションや式典・セミナーの司会、各種イベントMCとして活動中。

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