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【パリサロン2016】さあ「原点回帰」だ!
161006-Oya-00.jpgフォルクスワーゲンのEVコンセプトカー「I.D.」は、パリモーターショー2016において最も注目された出展車の1台であったことは間違いない。

第一の理由は、あのディーゼル排ガス試験不正問題発覚からちょうど1年が経ったフォルクスワーゲンが、どのような姿勢で臨むかを誰もが注目したからであろう。

第二は、「夢のコンセプトカー」ではなく、極めて現実的かつ真面目なアプローチであったからだ。

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噂のEV専用新アーキテクチャー「MEB」上に125kWモーターを搭載。航続距離も400〜600kmという、近い将来に充分達成可能と思われる数値である。

そしてふたつの明確な目標年が示されたことも、真面目さを示している。

2020年には、I.D.をベースにした生産モデルが、同等の動力性能・装備を備えたゴルフと大差ない価格で販売される予定だ。

続く2025年には、この車に込められた自動運転機能を実現するという。

自らタイムリミットを課したコンセプトカーなのである。

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全長×全幅×全高は、4100×1800×1530mm。長さはゴルフより155mmも短いにもかかわらず、高い衝突安全性能を確保している。ホイールベースは2750mmと、ゴルフを上回り、パサートのそれに近い。

自ら進めてきたクリーンディーゼルへの将来性に図らずもブレーキをかけてしまったフォルクスワーゲンだが、来るEVの時代に世界の先導役を果たす意欲をみせた。
量産を前提としているが、フォルクスワーゲン関係者によると、MEBと従来のMQB使用車両を同じ工場で混流生産するかについては、現在未定という。

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Bピラーが取り払われたドアを開け、I.D.のダッシュボードを覗いてみる。ステアリングホイールが見当たらない。といっても、自動運転の究極とされるレベル4(行き先を決めるだけで、運転操作をまったく行わない)車両であるとはリリースされていない。

「マニュアル走行時はどうするの?」と脇にいたスタッフに聞くと、彼はにやりと笑ってドライバーズシートについた。

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そして、ステアリングパッドのVWマークを押し続けると、収納されていたステアリングコラムがにょきにょきと伸び始め、ステアリングホイールが現れた。これでマニュアルモードである。「PRND」のセレクターはパッドに配置されている。

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自動運転中はレーザースキャナーがルーフから姿を現す。各部の照明がブルーに光り、自動運転中であることを周囲に知らせる。路上における自動運転車のあり方でも、フォルクスワーゲンはリーダーシップをとるかもしれないと思わせる提案だ。

ハイテクノロジー満載にもかかわらず、インテリアのデザインはミニマリズム的にシンプルかつルーミーだ。筆者は子供時代家にあった初代ビートルを思いだした。

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実際にフォルクスワーゲンは、I.D.の商品的存在が初代ビートルや初代ゴルフと同様、自動車界における節目となることを目指すと明らかにしたが、デザイン面でもそうした原点回帰が確認できる。

今日フォルクスワーゲンでデザイン部門を率いるミヒャエル・マウアーによると、「45の国と地域からやってきた1300人ものデザイナーが、未来の街の中で作業を続けている」、つまり将来のフォルクスワーゲンの姿を模索しているという。

同時に公開された2017年発売予定のEV「e-ゴルフ・タッチ」は、航続距離300kmを可能とする。

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さらに、会場最寄りの地下鉄12号線ポルト・ド・ヴェルサイユ駅構内は、プラグイン・ハイブリッドであるGTE各モデルの広告で埋め尽くされていた。

9年後、4年後、来年、そして今手に入るモデル......フォルクスワーゲンによる電動化・自動化の道筋は、花の都で高らかかつ正確に宣言された。

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原点回帰で最後にもうひとつ。コンパニオンのコスチュームに刺繍されたVolkswagenの文字も、レトロな書体に切り替えられていたことも記しておこう。

もちろん彼女たちの"モデルイヤー"は充分新しかったが。

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(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)
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