160109-CES-11.jpgフォルクスワーゲンは、2016年1月6日にラスベガスで開幕した家電・エレクトロニクス・ショー「CES2016」に合わせて、EVコンセプトカー「BUDD-e(バディ)コンセプト」を公開した。デザインは往年のタイプ2を彷彿とさせるが、3年後の2019年に登場するEVの姿が隠されているという。
同時に大切なのは、フォルクスワーゲンとして初めてEVを考慮した「MEBプラットフォーム」が採用されていることだ。搭載されているバッテリーは92.4kWhで、最大533kmの走行を可能にしている。

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前後ドアおよびハッチの開閉にはジェスチャー・コントロールが採用されている。さらに、家電メーカー「LG」とのコラボレーションによって、インターネットを通じたコネクティビティにより、来るべきスマート・ホームのテクノロジーに対応している。

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表情豊かな女性プレゼンターが進行するデモンストレーションでは、仲間たちとミュージックフェスティバルに行く日を想定。家の中に忘れたサングラスを探したり、キッチンの冷蔵庫の中身をチェックするといった使い方が紹介された。

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それらは、ドライバーズシートだけでなく、リヤサイドウインドーに設置された大型ディスプレイにも投影されるので、パセンジャー全員で情報を共有できる。

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ちなみにフロントグリルはディスプレイになっていて、スロットマシーンも表示できる、という、初公開の地になぞらえた洒落っ気も備えている。

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CESは長年にわたり「コンシュマー・エレクトロニクス・ショー」と呼ばれてきたもので、世界最大の家電エレクトロニクス・ショーである。入場は業界関係者およびプレスに限られている。

1970年のビデオカセットレコーダー、1981年のコンパクトディスクプレーヤー、そして2010年のアンドロイド・デバイスなど、のちに一般的になった製品が数々発表されたことでも知られる。

近年はデジタルデバイスの多様化により、世界中のメディアからさらに注目されるようになり、それにあわせて欧米の自動車ブランドも新技術発表の舞台とするようになった。

今年は全体で3600以上の出展社・団体が軒を連ねた。会場は3カ所に分かれ、とても1日では視察できない規模である。

主役である家電・エレクトロニクス・メーカーに関していえば、誰もが知る世界的ブランドが群雄割拠する傍らで、誕生間もないベンチャー企業の小さなスタンドが無数に立ち並ぶエリアもある。

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思えば第二次大戦後、フォルクスワーゲン・ビートルおよびその工場は、ドイツを占領した連合国が「価値なし」との判断を下した。いわば、まったく先行き不透明な産業だったわけだ。

そうした意味で今回の「BUDD-eコンセプト」は、フォルクスワーゲンのEVへの取り組みが本気であることを宣言するのとともに、ベンチャーの大先輩が、そのチャンレンジ精神を今なお保ち続けていることを示したものといえよう。

(文=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA/写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA, Volkswagen)

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