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e-up!で走るTOKYO
140515-eup-5.jpgドイツ仕様の「e-up!」で東京をドライブ。これはなかなか......。

※ギャラリーはこちら


2013年の東京モーターショーでジャパンプレミアを果たし、2014年内に日本導入が予定されているフォルクスワーゲンの電気自動車「e-up!」。そのドイツ仕様が日本の公道でドライブできると聞いて、5月のある日、指定された都内の某ホテルに向かった。

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ホテルの充電スポットで待ち構えていたのは、日本のナンバーがついた3台のe-up!。いずれも、左ハンドルの4ドアで、200Vのコンセントを使い充電中......。もちろん、日本で販売が予定されているのは右ハンドルの4ドアで、「CHAdeMO」を使った急速充電に対応することになる。

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e-up!についてはフランクフルトショー東京モーターショーのレポートがあるので、すでにどんなクルマかご存知の方も多いと思うが、いま一度その中身を簡単に確認しておこう。

e-up!は見てのとおり、フォルクスワーゲンのスモールカー「up!」の電気自動車版。エンジンの代わりに自社開発の電気モーターを搭載するとともに、18.7kWh、230kgのリチウムイオンバッテリーを床下に配置することで、ガソリンエンジン版とほぼ同等の居住空間とラゲッジスペースを確保している。

搭載されるモーターは60kW(82ps)のスペックを誇り、0-100km/h加速は12.4秒、最高速は130km/h、航続距離は最大160km。ちなみに、ギヤは固定式だ。

140515-eup-14.jpg航続距離を伸ばすために、e-up!には標準モードのほかに、「Eco」と「Eco+」モードが用意される。スイッチを押してEcoに切り替えると、モーターの出力が50kWに抑えられ、エアコンの効きが控えめに。さらに、Eco+を選ぶと、出力が40kWになり、エアコンが効かなくなる。
下の写真はe-up!のメーター。中央が速度計で、その右側にバッテリー残量計が、左側にはパワーメーターが備わる。さらに、速度計の下の部分には航続距離が示される。

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電気自動車ならではの機能が「回生ブレーキ」。エンジンブレーキのようにアクセルペダルから足を離すとクルマが減速するのだが、電気自動車の場合はその際に発電して電力をバッテリーに貯められるのがメリット。e-up!では回生ブレーキの強さを5段階に切り替えることが可能だ。

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具体的にはDレンジでは回生ブレーキがほとんど効かないが、シフトレバーを左右に動かすことでその強さを3段階(レベル1〜レベル3)から選ぶことができる。数字が大きいほど回生ブレーキが強く効く。シフトレバーでBレンジを選ぶとさらに強力に回生ブレーキが効くようになる。

そんな説明を聞いたあと、さっそく試乗に出かけることに。この日は2時間の限られた試乗ということで、都内のふだん走り慣れている道を辿ってみた。

まずはDレンジ/標準モードでスタート。電気自動車といえば出足の良さが魅力のひとつだが、このe-up!も期待どおりの力強いスタートダッシュを見せてくれる。ギヤは固定式だが、巡航速度に達するまでの加速は実に伸びやかでスムーズ。そのうえ、アクセルペダルを操作する右足の動きに即座に力強く反応するのはモーターの成せるワザ。

都心の一般道では意外に瞬間的な加速が必要になる場面が多いが、そんなときでもこのe-up!は流れに乗り遅れることがなく、ストレスのないドライビングが可能だ。

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標準モードからEcoモードに切り替えてもモーターは十分にパワフルで、街中での加速に不満は皆無。さらに、Eco+に切り替えると明らかに加速は鈍るものの、流れについていけるだけの加速があり、ストレスを感じずにすむ。

そういう意味では、Eco+を多用したいところだが、エアコンが停まってしまうので、ここ東京では使える時期が限られてしまう。高温多湿な日本向けに、Eco+でもエアコンが停まらないよう変更してくれたらいいのに......。

140515-eup-6.jpg回生ブレーキもいろいろと設定を変えて走ってみた。面白いのは回生ブレーキが強まる設定で、アクセルペダルの踏み方ひとつで加速も減速もコントロールできるのだ。Bやレベル3ならほとんどブレーキペダルを踏まなくても運転できる。ちなみに、レベル2以上では、一定以上の減速時にはブレーキランプが点灯するから、減速Gが大きい場合に後続車に注意を促すことができるので安心だ。
アクセルペダルから足を離せば停車まで持ち込むこともできるが、停車まではある程度時間がかかるので、都内などまわりにクルマが多い状況ではブレーキを踏んで停車したほうがいいだろう。

ところで、試乗開始直後、回生ブレーキを試したら、全然効かない......。でも、これは異常ではなく、実はバッテリーが満充電に近いと回生ブレーキは機能しないのだ。というのも、回生ブレーキはモーターで発電した電気でバッテリーを充電するわけだから、バッテリーが"お腹いっぱい"のときは発電した電力を受け入れられないので、回生ブレーキは使えなくなる。

以前、e-Golfの試乗で下り勾配を走り続けていたら、回生ブレーキでバッテリーが満充電になり、それ以降は機械式のブレーキしか使えないということがあった。e-up!にかぎらず電気自動車では場合によっては回生ブレーキが使えないこともある......というのを覚えておいてほしい。

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さて、東京といえば忘れてならないのが首都高速。僕自身もよく使うので、さっそくe-up!で入ってみる。加速が鋭いe-up!だけに、本線への合流には余裕があるし、最高速度が100km/h未満の首都高では追い越し加速も十分すぎるほど。パワートレインからの音が静かなので、頑張って加速している感じがないのも余裕につながる。

本当は横浜まで足を伸ばしたかったが、今回は時間が足りず断念。航続距離を見るかぎり、東京〜横浜の往復は楽勝だろう。

一般道でも首都高でも、e-up!の乗り心地は重厚で高級車を運転しているよう。重心が低いので安定感も抜群だ。加速といい走りといい、up!のなかでは最もファンなクルマといえる。機会があったら、これで"ジムカーナ"に挑戦したいくらいだ(笑)

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というわけで、都内で使うには何の不満もなかったe-up!。むしろ、小さなボディと素早い加速は東京向きだし、ガソリン車に比べて航続距離が短くても自身の使い方にあうという人には、お誂え向きだ。

あとは価格ということになるだろうが、VGJによれば価格はまだ決まっていないということ。日本で先行する「日産リーフ」より安くなるのは難しいが、クルマとしてのトータルな魅力を考えると、フォルクスワーゲン好きならきっとe-up!のほうが満足度は高いだろう。

電気自動車といえども、e-up!はフォルクスワーゲンらしさに溢れているから。

(Text by S.Ubukata / Photos by H.Ohshima)
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