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【912 Diary】912はこんなクルマ
180525-912-0.jpg編集部にやってきたのは、1968年モデルのポルシェ912です。911を知らない人はいないと思いますが、912を知っている人は意外に少ないのでは?

1948年に発表した「356」でスポーツカーブランドとしての歩みを始めたポルシェ。その生産は1965年まで続きますが、356の後継モデルとして1963年に発表され、翌1964年から量産がスタートしたのがおなじみの「911」です。2+2のファストバッククーペデザインを採用し、リヤにエンジンを搭載するスタイルは、現代のポルシェにも受け継がれています。

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356が水平対向4気筒エンジンを搭載するのに対し、911は水平対向6気筒エンジンを採用。デビュー直後の911には、最高出力130HPを発揮する1991ccの"フラット6"が搭載されました。

これにより356に比べて走行性能はアップし、多くのエンスージアストから注目を集めるわけですが、高性能エンジンの投入などにより、356よりも高価なクルマに。そうなると、それまでの356ユーザーの受け皿になるのは難しいということから、ポルシェは911と基本設計を共有しながら、エンジンやトランスミッションを変更し、装備を簡素化することで、より低価格で提供できるクルマを世に送り出しました。それがこの912です。

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一番の特徴が、フラット6の代わりにフラット4、すなわち、水平対向4気筒エンジンを採用したことです。このエンジンは、356SC用の1600ccのフラット4を少しデチューンして90HPとしたもの。さらに、標準のギヤボックスを5速から4速にしたり、メーターパネル、ステアリングホイール、ダッシュボードなどを簡素化したことで、911の21,900ドイツマルクに対し、16,250ドイツマルクという価格を実現しています。

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そう書くと、912は911の単なる廉価バージョンと思われがちですが、水平対向4気筒エンジンの採用によるメリットもあります。911の6気筒エンジンが重さ184kgであるのに対して、912の4気筒は54kg軽い130kg。当時、前後重量配分が後ろ寄りでオーバーステアが問題となっていた911だけに、リヤが軽くなった912は911よりもハンドリング性能が優れていたのです。

メーターパネルは、911が5連メーターを採用していたのに対し、912は3連メーターとシンプルなデザインでした。しかし、1967年以降は911同様5連メーターになりました。

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ちなみに、この912は、コーチビルダーとして名高いドイツのカルマンで組み立てられました。カルマンはそれ以前にも356C/SCの組立を請け負っていましたが、ポルシェの生産能力に限りがあったことから、一部911/912の生産を担当。その後も「914」の生産を行っています。
   
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912は1969年まで生産され、日本に100台が正規輸入されました。この912はアメリカから並行輸入されたものですが、いずれにせよ、日本ではかなりレアなモデルということができます。

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......ということで、912がどんなクルマなのか理解できたと思います。今後、このクルマをコツコツと整備していく......はずでしたが、急遽イベントの参加が決まり、さっそく車両のコンディションチェックを行いました。

それについては、また次回に!

(Text by S.Ubukata / Photos by H.Ohshima)

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