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Author:大矢アキオ (Akio Lorenzo OYA)

イタリアコラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒業。自動車誌『SUPER CG』編集記者を経てトスカーナ州シエナ在住。『イタリア発シアワセの秘密-笑って!愛して!トスカーナの平日』(二玄社)ほか著書多数。NHK『ラジオ深夜便』現地リポーターとしても十年以上にわたり活躍中で、老若男女犬猫問わず幅広いファンがいる。

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フォルクスワーゲンの「古典」を味わう博物館
180109-Oya-05-1947.jpg【イタリア直送 大矢アキオのかぶと虫! ビートル! マッジョリーノ!】

ドイツのハンブルクに「プロトタイプ・ミュージアム」と名付けられた博物館がある。オーナーは建築家トーマス・ケーニッヒとビジネスマンのオリヴァー・シュミットの2人。

大学時代からの友人である彼らが意気投合し2008年に開館したのが、このプライベートミュージアムである。

180109-Oya-01.jpg建物は1920年に落成した煉瓦づくりの元工場を用いている。湾岸再開発エリアの中にある。日本でいうなら、さながら横浜みなとみらい地区である。

「プロトタイプ」と聞いて、奇怪な試作車ばかりを想像するのは誤りだ。コレクションの中心を占めるのは、第二次大戦前後における初期のポルシェおよびとそれらをベースにした少量生産車、または同時代の試作レーシングカーである。

ただしフェルディナント・ポルシェ博士が設計した初期のフォルクスワーゲン・ビートルにもスポットが当てられていて、オーナーたちの熱い収集欲を感じさせせる。
たとえば1942年タイプ166シュヴィムワーゲン......
 
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新車当時にドイツ進駐アメリカ軍へ納入された1947年ビートル(冒頭の写真)、第二次大戦後、ポリツァイ(警察)用として初めて製造された1951年カブリオレ仕様......

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といったモデルたちだ。

さらに、外部コーチワーカーによるフォルクスワーゲンのスペシャルも。

こちらはドイツの「ダンネンハウアー&シュタウス」による1953年の作品......

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ウィーンのデンツェルによる1954年1500S......

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といったモデルが鑑賞できる。

車両以外のアイテムも興味深い。

「購入用の通帳」(写真左下)は、そのひとつである。旧ドイツ政府が1938年、ビートルの始祖であるKdFワーゲンの購入を促すため印刷されたものだ。

毎月印紙を購入し、すべて貼り終えるとKdFワーゲンと交換できる、という仕組みのもと開始された制度だった。

ビートルのある生活を人々に想像させるための「すごろく」(写真右下)もある。展示品は1950年代の復刻だが、オリジナルはKdFワーゲン時代の1939年に遡る。

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地下に置かれたテレビの画面には、フォルクスワーゲンによる1954年の広報映像が流れる。

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ミュージアムショップに並べられたアイテムのクオリティも高い。初代ゴルフGTIは39ユーロ(約5300円)、初代タイプ2は4.5ユーロ(約600円)である。

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今や自動車界の巨星となったフォルクスワーゲンだが、その産声を上げた時代に浸れる、貴重なミュージアムである。

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(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)

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