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Author:大矢アキオ (Akio Lorenzo OYA)

イタリアコラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒業。自動車誌『SUPER CG』編集記者を経てトスカーナ州シエナ在住。『イタリア発シアワセの秘密-笑って!愛して!トスカーナの平日』(二玄社)ほか著書多数。NHK『ラジオ深夜便』現地リポーターとしても十年以上にわたり活躍中で、老若男女犬猫問わず幅広いファンがいる。

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パパのゴルフは「天然ガス」でGO!
160727-Oya-02.jpg【イタリア直送 大矢アキオのかぶと虫! ビートル! マッジョリーノ!】

イタリアは天然ガス車用の充填ステーションが多い。その数1333カ所は欧州ナンバーワンだ。路上を走る天然ガス車の台数58万台(2009年調べ)も、世界第6位である。

背景には、戦後早くから燃料節約の手段としてLPG(液化石油ガス)車が普及し、ガス仕様に対する抵抗が少なかったこと、それに呼応して国産メーカーが積極的に天然ガス仕様車をラインナップに揃えたこと、そして近年イタリア政府が環境保護政策の一環として、ガス仕様車を奨励したことがある。

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こちらの天然ガス仕様車は、ガス用タンクと通常のガソリンタンクの双方をもつ。普段は前者を用いて、必要に応じて後者も用いる方式である。メーカーのカタログに載っているモデルを買い求めるユーザーのほかに、街の指定業者に自分のガソリン車を持ちこんでガスタンクを装着してもらうドライバーも少なくない。業者は充填ステーションに行くと、教えてもらえる。

イタリアにおける現行フォルクスワーゲン・ゴルフのカタログにも、「1.4TGIブルーモーション」と名付けられた天然ガス仕様が載っている。

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ガソリンのTSI、ディーゼルのTDIに次ぐ第3の選択肢として、2014年に投入された。
参考までに、ゴルフのMQBプラットフォームは設計段階から、プラグイン・ハイブリッドやEV仕様と同様に天然ガス仕様も念頭に置いていたという。

50Lのガソリン燃料タンクとは別に容量15kgのガスタンクを搭載する。そのため、スペアタイヤはパンク修理キットに置き換えられ、ラゲッジスペースも若干縮小されている。

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カタログ上の最高速は194km/h、航続距離は天然ガスのみで429km、ガソリンとの併用で374kmである。

価格はベースグレードのトレンドライン(6段MT)で税込22,000ユーロ(約260万円)。
ガソリン仕様1.4TSIにトレンドラインの設定がないので一概に比較できないが、ガソリン仕様と(基本的に高い)ディーゼル仕様ほどの金額的開きはない。

ここに紹介するエネア・スカットローニさんは、イタリア中部マルケ州トレンティーノの地元ホテル経営者である。ちなみに市内には、日本でも知られる高級ソファブランド「ポルトローナ・フラウ」の本社ファクトリーもある。筆者も、彼のホテルで家具の取引にやってきたのかと勘違いされた。

エネアさんは、ゴルフの「1.4TGIブルーモーション」のオーナーだ。「2015年9月に購入しました。ちょうど1万km走ったところです」。

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真面目な彼は、取材を受ける前にクルマを洗っておいてくれた。写真でガソリン給油口とその左にある天然ガス充填口の周囲に水滴が付着しているのは、そのためである。

で、実際、どのくらい得なのか? 直近の経験を聞くと、「13ユーロ(筆者註:約1500円)の充填で、約280km走れた」らしい。

ざっと計算してみると、燃料価格が欧州屈指に高いイタリアでは、通常のガソリン車では同じ距離を走るのに、円換算で約2700円かかる。かなり節約できる。

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ところで、数ある天然ガス仕様車からゴルフを選んだ理由を聞くと、「この車の前に乗っていたゴルフ5のディーゼルが10年30万キロまったく故障知らずで感動したからです」と教えてくれた。

ただし1970年生まれ・今年46歳のエネアさんによると、フォルクスワーゲンとの生活は、子供時代に遡るという。「建設業を営んでいた親父は、まさに仕事の鬼。夏休みも毎年僅か数日でした。でも、だからこそ普通の子供以上に嬉しかった。同時に、親父が運転で海に向かったブルー・メタリックのパサート1.6ディーゼルも、しっかりと脳裏に焼きついています」

今エネアさんは2人の息子のお父さんである。今度は、彼が天然ガスのゴルフで家族の思い出をつくる番だ。

(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)
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