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Author:大矢アキオ (Akio Lorenzo OYA)

イタリアコラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒業。自動車誌『SUPER CG』編集記者を経てトスカーナ州シエナ在住。『イタリア発シアワセの秘密-笑って!愛して!トスカーナの平日』(二玄社)ほか著書多数。NHK『ラジオ深夜便』現地リポーターとしても十年以上にわたり活躍中で、老若男女犬猫問わず幅広いファンがいる。

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ポルシェになったオヤジ
150729-Oya-01.jpg【イタリア直送 大矢アキオのかぶと虫! ビートル! マッジョリーノ!】

前回に続き、7月にイタリア・トスカーナ州シエナ県で開催された「インターナショナルVWミーティング」の会場を読者諸兄と散策してみよう。

4日間の会期中、多くの参加者は併設されたキャンプサイトで寝泊まりした。そこに佇むタイプ2のキャンピングカーは、どれを見ても面白い。たとえば上の写真の手前は、T3トラック仕様にいにしえのボート風キャビンを載せたものである。 

やがて歩いてゆくと、ジャンカルロさんというイタリア人に声をかけられた。

1949年生まれ、今年66歳の彼の愛車はT1である。「20年前、手に入れたときのままだよ」といいながら、室内を見せてくれた。ドア脇には鏡が掛かっている。それに自分の顔を映しながらヒゲを剃れば、気分はフラワーチルドレンに違いない。

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かわって、消防署のペインティングが施された2代めタイプ2の中で昼寝をしていた若者がいたので、起こして聞いてみる。ヤン・ブリュケナーさんはドイツ東部のドレスデンからやってきたという。

「10年前に払い下げ車両を手に入れて、中身を改造してキャンピングカー仕様にしたんだ。つまり僕がセカンドオーナーさ」と教えてくれた。

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いっぽう、クリストフさん(50歳)は、パリ北部からビートルとともに初参加した。「もちろん古いフランス車も好きだよ。でも妙に真面目なムードのクルマが多いじゃない? それに比べてビートルは、見るからに可愛いんだ」と、独自の視点から愛車を愛でる。

片道1200km。パートナーのフロランスさんは最初一緒に行くことに乗り気ではなかったそうだが、「やっぱりイタリアという目的地が説得要因になったようだね」と振り返る。

念のため、脇にいるフロランスさんに「欧州の記録的猛暑のなか、冷房なしでキツくなかったですか?」と聞いてみた。「走れば天然クーラーよ」と昭和の人のような答えが笑顔とともに返ってきたところからして、とりあえずクリストフさんの計画は成功だったようだ。

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ところでこのイベント、今年で第30回を迎えた。主催しているのは、「クラブ・フォルクスワーゲン・イタリア」という団体だ。

会長のジョヴァンニ・デイ氏(下の写真の右)は、「単一ブランドで連続してイベントを開催しているヒストリックカー愛好会としてはイタリア最長、ヨーロッパでは3番めの長寿となりましたよ」と胸を張る。

会期中は年によって、ビートルが登場する有名な映画『ラブ・バッグ』を星空のもと野外上映するなど、参加者が喜ぶ企画も欠かさなかった。

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ちなみに会長には、もうひとつの顔がある。メカニック歴51年。現在は空冷フォルクスワーゲンの専門ショップ「デイ・ケーファー・サービス」のオーナーだ。6500以上のパーツを常時保管するとともに、さまざまなレストアやチューニングを手がけている。

会場の一角にあったタイプ3のピックアップも、彼の工房が展示したものである。

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150729-Oya-09.jpgイタリアはもとより欧州各地のファンにとって、彼は「頼れるみんなのおじさん」を通り越して守護神的存在だ。なにしろ彼の苗字「Dei」とは、イタリア語で「神々」を意味するのだから。 

ということで記念すべき第30回の大会ポスターは、ご覧のようにポルシェ博士の有名なポートレイトを模したデザインになった。

長年にわたり欧州各国のファンに集いの場を提供してくれたジョヴァンニ氏への熱い賞賛が込められていることは、いうまでもない。
(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)
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