150820-Ota-1.jpg第11話でお伝えしたとおり、「ゴルフR」と太田哲也さんの「ゴルフGTI WR」の対決はコンマ3秒差でゴルフRが勝ちました。しかし、ゴルフGTIへの愛情はむしろ強まったようです。
ウブカタ(以下ウブ)ゴルフGTI WR(Wait R)とゴルフRのサーキット対決、まさに手に汗握る戦いでしたね。

太田:結果はコンマ3秒負け......。タイムアタック中のフィーリングでは「勝てる!」と思えたから、ちょっと残念だけどね。

ウブ:郷田鉄生さん(150820-Ota-4.jpg150820-Ota-5.jpg
太田:タイムアタックの結果を見て「う〜ん」と唸っていたら、スタッフの女子が「Rのときに少し手を抜いちゃえばよかったのに」って言うんだよ。でも、レーシングドライバーのプライドがあるから、それはできない相談だよな。

ウブ:それでこそ、太田校長です! それはそうと、あの日、同乗走行のときに横に乗せてもらいましたけど、ゴルフGTI WRの走り、とくにコーナーの速さといったら......。

太田:あれならゴルフRに勝っても不思議じゃないだろう? タイムアタックのあと、データロガーで2台の走りを比較してみたんだ。そうしたらフィーリングどおりの結果だったよ。

ウブ:やはりGTI WRはコーナーが速い?

太田:コーナリングでのボトムスピードはGTI WRが速く、そこからの加速もWRが上回っていた。つまり、コーナリングはWRの勝ち。

ウブ:ただ、ストレートはハイパワーで4WDのゴルフRのほうが有利なんですね。

太田:そのとおりで、ストレート後半での最高速はゴルフRのほうが速かったよ。

ウブ:そんなクルマを相手に、最終的にはコンマ3秒差まで追い込んだのはすごいですよ!

太田:雨とはいえ4秒以上も差があったわけだからね。40ps差のGTIがRと同じようなタイムで走っただけでも大成功といえるよね。

ウブ:そのためには、それなりの投資が必要だったわけですが......。

太田:GTI WRの機能パーツは全部合わせても60万円くらい。399万円のGTIに60万円のパーツを付けても、549万円のゴルフRとはまだ90万円差があるから、人によっては安上がりに思えるんじゃない?

ウブ:確かにそうですね。

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太田:それに、オレとしてはGTIという名前に何物にも代えがたい"歴史とブランド"を感じるからね。

ウブ:初代ゴルフGTIが生まれたのは1976年。来年は40周年です。

太田:それだけに、ゴルフといえばGTI。Rといわれてもピンとくる人はそんなに多くはないと思う。

ウブ:Rはゴルフ4の時代に登場したR32が始まりですから、まだまだ若い(笑)

太田:しかもゴルフRの走りは、ゴルフというよりも、アウディのようなプレミアムブランド的なイメージが強い。ゴルフといいながらその進化形とは違うし、このクルマだけ別の世界に住んでいるような気がするんだよ。まあ、愛車びいきかもしれないけどね(笑)

ウブ:何となくいいたいことはわかります。

太田:その点、GTIはカジュアルでスポーティで、Rにはない親しみもある。そして、この最新モデルも初代からの軽快さを引き継いでいるよね。

ウブ:まさに軽快さが命のGTIですからね。フォルクスワーゲンの開発陣もこのゴルフ7ではGTIとRのキャラクターを明確にして、よりGTIらしいクルマにしたと聞いています。

太田:へぇ、そうなんだ。GTIらしいといえば、袖ヶ浦で乗ったGTIパフォーマンスは良かったね。

ウブ:限定500台販売されたスペシャルなGTIですね。本国では限定じゃないんですが......。

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太田:GTIパフォーマンスはGTIとは走りが違うよ。GTI WRはFFだからコーナーの出口でアクセルオンするとホイールスピンさせてしまいがち。するとアンダーステアが出てラインが膨らみ、タイムロスしてしまう。一方、4WDのRはアクセルオンでグングン切れ込んで曲がっていく。そんな違いが2台にはあるんだけど、GTIパフォーマンスはFFなのに、電子制御のLSDのおかげでパワーオンで向きが変わるんだ!

ウブ:あの動きは感動モノですよね! ぜひ、限定車ではなくレギュラーモデルとして販売してほしいですよ。

太田:あのLSDがあれば、GTI WRは確実にRに勝てるんだけどなぁ......。LSDだけ手に入れてGTI WRに組み込めないかなぁ......。でも、いまのゴルフは電子制御がガチガチだからねぇ。ドイツの人とか、誰か情報くれないかなぁ。

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ウブ:いっそのこと、中古のGTIパフォーマンスを手に入れて2代目GTI WRをつくるっていう企画はどうでしょう?

太田:その手もあるよな、ふむ、ふむ。

......第13話に続く

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(Text by T.Ota & S.Ubukata)

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