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Author:太田哲也

1959年11月6日生まれ。自動車評論家・レーシングドライバー。4年連続でルマン24時間レースにフェラーリで出場するなど日本一のフェラーリ遣いの異名を取ったプロフェッショナル・レーシングドライバー。ライフワークとして若い世代に「チャレンジする素晴らしさ」を伝える社会貢献活動『NPO法人KEEP ON RACING http://www.keep-on-racing.com』の代表を務める。

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第9話 WRプロジェクト始動
150604-Ota-8.jpg「待ってろ、R!」ということで、カスタマイズの方向性を大きく変更してスタートした「WRプロジェクト」。"対決の日"に向けて、その準備が着々と進んでいました。

ウブカタ(以下ウブ):前回とは打って変わって、今日は表情が明るいですね!?

太田:あれ、わかる? このあいだゴルフGTIで富士スピードウエイを走ったら楽しくてさぁ。ゴルフGTIはやっぱりスポーツカーだね!

ウブ:それはよかった。つまり、WRプロジェクトが順調に進んでいるということですね?

太田:そのとおり! 去年のスパタイGPで、ウチのゴルフGTIがゴルフRに水をあけられて悔しい思いをして、それでカスタマイズの方向性をそれまでの「ストリートでもワインディングロードでも快適なフェラーリのようなゴルフ」から、「サーキットでもRと闘えるGTI」に変更したんだ。「待ってろ(Wait)、R!」だから「WRプロジェクト」。

ウブ:かなりストレートな名前なので、一度聞いたら忘れられません(笑) 具体的には、何を変えたんですか?

150604-Ota-3.jpg
太田:まずはブレーキパッド。純正のブレーキパッドに比べて、効きと耐フェード性が2段階くらい強力なスポーツパッドに変更したんだ。そもそも、純正のブレーキパッドはサーキットでタイムアタックすることを前提につくられてはいないから。

ウブ:そういえば、袖ヶ浦を走ったとき、ブレーキがフェード気味で辛かったっていってましたね。

太田:ゴルフGTIはESCを完全にオフできないので、コーナーでは常にESCが作動しているんだ。さらに、アンダーステアを抑えるXDSが対角線上にブレーキをかけ続けるからブレーキの負担がハンパじゃない。だからフェードしやすい。コースをちょっと走っただけでも、ピットに入ると煙がもうもう......。そのため、スポーツパッドが必要だったんだ。

ウブ:なるほど、最新技術も場合によっては厄介なんですね。

太田:そういうこと。次に吸排気系。マフラーをストレート構造タイプに変更した。中に仕切り板を入れていないので、明らかにターボのレスポンスが良くなったよ。吸気系は、カーボンエアクリーナーで冷たい外気をエンジンに圧送し、燃焼効率を高める。エンジンルーム内で暖められた空気は酸素濃度が低くなるので、冷たいフレッシュエアーを直接導入できることは大きなメリットとなる。

ウブ:当然、エンジンにも手を入れたんですよね?

太田:ECUチューンね。DTT(Digi-Tec by TEZZO)の開発が終わったので、それをインストールしたんだ。吸排気系とのセッティングを同時に詰めていたので相性は抜群で、アクセルペダルを踏んだ途端に、発進からホイールスピンしてしまうくらいパワーアップしたよ。これならイケるはずだと自信が湧いてきたよ。ちなみに、より理論空燃比に近づけているので、巡航時にはノーマルよりも低燃費なんだ。

ウブ:ふだんの燃費に悪影響を与えないのはうれしいですね。そして、残るは......。

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太田:足まわりのチューニング。実は、街乗りやワインディングロードを快適に、しかもスポーティに走ることができるローダウンサスペンションをつくって満足していたんだ。これを外すのは残念だったけど......。

ウブ:「待ってろ、R!」ですから、思い切りがカンジンですよね(笑)

太田:ということで、後ろ髪を引かれる思いで車高調を投入したよ。GTIはFFなので、その大パワーを前輪だけで受け止めることになるから、サーキットを本格的に走るなら車高調がないとね。

ウブ: 太田さんが選んだのは?

太田:KW(カーヴェー)の縮み12段、伸び16段調整式。DCCのキャンセラーも装着されている。乗り心地は少し硬くなったけど、前後の減衰力を変更できるので、ベストなセッティングに近づけられる。コーナーでもしっかり踏ん張ってくれるので安心感もアップしたよ。

ウブ:これで、富士へ?

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太田:ブリヂストンのハイグリップスポーツタイヤ「RE71R」を履いてね。実はRE71Rのチューナー向け試乗会だったんだけど、減衰をいくつか試してセッティングを煮詰めていったら、アンダーステアが減って、ハンドルを切るとぐんぐん切れ込んでいくようになった。

ウブ:タイヤの印象はいかがでした?

太田:街乗りでもスポーツタイヤのわりに乗り心地がいいし、真円度が高いことや、転がり抵抗が小さいのもいいね。富士のタイムも、「RE11」と比較して1〜2秒速くなったよ。そうそう、試乗会には「86」のチューニングカーも来ていたんだけど、あのクルマは180km/hでスピードリミッターが効いちゃうんだよね。ゴルフはメーター読みで220km/hを超えてた。ホームストレートでスポーツカーの86をガンガン抜くのはやっぱり楽しいね(笑)

ウブ:またまた、レーシングドライバーの血が騒いでしまったんですね。これは袖ヶ浦のタイムが楽しみですね!

太田:ただ、試作したブレーキパッドはリヤの効きが良すぎて、周回を重ねると"尻ふりダンス"をする傾向が強かったんだ。次の走行には、前後の配分を見直して臨むつもりだよ。

ウブ:期待しています!

第10話に続く

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