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Author:小倉 正樹

1950年生まれ。伊藤忠オート、日刊自動車新聞社を経て自動車専門誌「LE VOLANT」編集部に。同誌編集長、「VW GOLF FAN」編集長を経てフリーに。

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還暦人は挫折した
110207ogu001.jpg還暦を迎えた自分に、自分でお祝いをしてあげる、赤いチャンチャンコ代わりのクルマ購入、またプチレストア計画は、いずれもやめることにした。見事な挫折である。しかし、もちろんこれには色々と理由があって・・・。まあ、聞いて欲しい。

110207ogu003.jpg■テンション上がったが・・・

昨年6月の本コラムに、「還暦人の妄想」という一文を載せた。昨年3月に60歳となったオグラは、自分で自分を祝ってあげるべく、なにしろ赤いクルマを購入する、あるいは作るという妄想をお披露目した。赤いクルマを購入するという方向に関しては、ポロ GTIが有力候補だったが、試乗してみると、ちょっと還暦人には向かないかなという印象。加速性能が素晴らしく、まさに元気ハツラツという感じだが、サスペンションがかなり締め上げられていて、その乗り心地にいささかたじろいでしまった。若手にはそれでもいいかもしれないが、還暦人には無理。で、ポロ GTIは諦めることにした。しかし、残念なことに他にコレというクルマもない。

もうひとつの、赤いクルマを作るという方向もやめることにした。いや、頑張ってはみたのだ。ゴルフ2をプチレストアしながら、全塗装を施して"RC(レッド・チャンチャンコ)号"を作るつもりで、実際にも関西からナンバーなしのGTIをもらってきたりもした。ところが、このクルマ、よく調べてみると、前部をぶつけた形跡があって、フロントセクションがお辞儀している状態。フレーム修正からやっていかないと、ちゃんと仕上がらないことが判明して、ガクッ。このボディを使ってのRC号製作は、諦めることにした。

110207ogu004.jpgそこで白羽の矢を立てたのが、かつては大阪・茨木のショップであるラインハートの所有で、時折オグラがオクヤマにボディ強化パーツ開発に借り出していたGTIだ。ちょっと話はややこしいが、このクルマ、もともとはラインハートのもので、3年ほど前だろうか、オグラが譲り受けていたもの。車検を取って、アチコチ直すのを楽しみながら乗っていたのだが、ラインハートの吉本代表が「戻して」とのことで、また関西に帰っていた。

110207ogu002.jpg大阪ナンバーになっていたわけだが、今度は昨年秋、吉本代表はラインハートを閉めることになって、またまたオグラが引き取ることに。こんな経緯もあって、もうこのクルマでやるっきゃないと考えたオグラは、名義変更を前に希望ナンバーを申請して、ワザワザ還暦を表す数字、60を取得した。完璧に、その気になっていたのだ。大体、オグラはこのGTIに相当入れ込んでいた。

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たとえば、フロントシートの右側は縫製がほつれてなんともみすぼらしくなっていたので、スピニングガレージにあった同型の左側のシートをもらってきて、その表皮を交換した。作業は、以前取材でオジャマした西宮の島田自動車内装(0798-23-0385)でやってもらった。

110207ogu008.jpg一昨年のフランクフルト・ショー取材の折に、"ヤングタイマー"、あるいは"ヤングクラシックス"という考え方があることを知ると、後期型の特徴である前後ビッグバンパーを外し、スモールバンパーを装着して、それらしく装ってみたりもした。オーバーフェンダーを外してみると、ボディ側のその際にスジキズが入っていたため、塗装をやる羽目にも陥った。なんやかやと、かなり投資していたのだ。

したがって、ボディを赤に全塗装してしまえば、"レッド・チャンチャンコ号"はなんなく完成するはずだった。昨年10月のコラム「赤いポロGTI、 買いま・・・」では、後はもう決心するかどうかのところまできていると記したが、それは本当だった。

■悪くない挫折!?

ところが、このあたりから引っかかり始めた。全塗装の費用は、出せなくもない。しかし、もし"ヤングクラシックス"という考え方を大切にするとしたら、オリジナルではない色を塗ってしまっていいものかと思い始めた。それに、このGTIのボディカラーは、人気色のブラック。このままのほうが、オリジナルのままのほうがベターではないのか。そう、思い始めたのだ。そうこうしているうちに、このGTIは車検の時期が迫って来たこともある。もちろん、車検を取るのもやぶさかではない。しかし、オグラはここで"レッド・チャンチャンコ号"を諦めることにしたのである。

理由はこうだ。オグラの個人的なイベントよりも、"ヤングクラシックス"という考え方を尊重して、オリジナルを活かしていくことこそが重要だと。こう、オグラは思い至ったわけである。大げさにいわせてもらえば、もしこのクルマを一種の文化財と考えたなら、可能な限りいい状態で次の世代に渡すべきと考えたのだ。このGTIは走行距離が25万㎞に近い。30万㎞まで走れるとすれば、まだ5万㎞は楽しめるはずだ。

110207ogu009.jpg挫折といえば挫折である。でも、オグラは悪くない挫折だと思っている。もっとも、この挫折を契機としてダイエットでいうところのリバウンド、心理学でいうところの代償行動もありそうで、オグラはいま気が気ではない。
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