121210-WRC-04.jpg2012年12月8日、フォルクスワーゲンはモナコ公国・カジノ前広場で「ポロR WRC 2013」を初披露するとともに、2013年の世界ラリー選手権(WRC)への参戦体制を発表した。


参戦体制発表の場で、フォルクスワーゲン ブランド研究開発担当取締役のDr.ウルリッヒ・ハッケンベルク氏はこう述べている。

「本日、ラリー・モンテカルロの舞台となるモナコ公国で、われわれの参戦体制およびポロR WRC 2013 を発表できることを大変うれしく思います。フォルクスワーゲンにとってWRC参戦は、自分たちの製品と技術を世界中の方々に広く知っていただく最高の機会です。ラリーカーのエンジンは、排気量1.6Lの直噴ターボ。小さなエンジンから大きなパワーを引き出す技術は、まさに私たちがTSIなどの市販エンジンで実践しているものです。環境性能に優れたエンジンを、市販車をベースとする車体に搭載し、世界中の国々、路面で走行するWRCは、フォルクスワーゲンにとって理想にきわめて近いモータースポーツです。われわれは新規参入メーカーではありますが、WRCと深く関わり、この素晴らしいモータースポーツをおおいに盛り上げていきたいと考えています」

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ドライバーを務めるのは、セバスチャン・オジエ(フランス)、 ヤリ‐マティ・ラトバラ(フィンランド)、アンドレアス・ミケルセン(ノルウェー)の3名で、オジエとラトバラはシリーズ全13戦に出場。ミケルセンはスポット参戦する。

121210-WRC-03.jpgセバスチャン・オジエ

「私は2011年の終盤からチームの一員としてポロR WRC 2013の開発を手伝ってきました。有能なスタッフのおかげで開発は順調にすすみ、素晴らしいマシンに仕上がりつつあります。ラトバラ、ミケルセンという強力なチームメイトとともに、じっくりと腰を据えてWRC を戦っていくつもりです」
121210-WRC-02.jpgヤリ-マティ・ラトバラ

「先日、初めてステアリングを握ったポロR WRC 2013はフィーリングが素晴らしく、素性の良いマシンだと思いました。もちろんこれからまだ改善すべき点もいくつかあります。私がWRC で培ってきた経験を活かし、チームメイトと協力しながらさらに戦闘力の高いマシンに仕上げていきたいと思います」
121210-WRC-01.jpgアンドレアス・ミケルセン

「2012年は2年連続でIRCのチャンピオンとなり、また フォルクスワーゲン・チームの一員としてWRCに出場し経験を蓄積してきました。現時点では第4戦ポルトガルから出場の予定です。オジエ、ラトバラというWRCを代表するトップドライバーたちからいろいろなことを学び、大きく成長したいと思っています」
ところで、ポロR WRC 2013は、市販車をベースに1.6L直列4気筒直噴ターボとフルタイム4WDを搭載するラリーカー。全長3976×全幅1820×全高1356mmのボディは、大型フェンダーを装着して規定ぎりぎりまで全幅を拡張している。

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121210-WRC-07.jpg内装はすべて取り払われ、必要な機能のみが残されている。そのため、ステアリングホイールにはさまざまなスイッチが移植されている。メーター類はすべてモニター表示となる。ギアボックスはシーケンシャルの6速。ハンドブレーキが延長されているのはラリーカーならでは。
121210-WRC-08.jpgエンジンは、最高出力315ps/6250rpm、最大トルク43.4kgm/5000rpmを発揮する。直径33mmの吸気リストリクターを装着することで、マシン間の性能差を調整する。0-100km/h加速はわずか3.9秒! ギアレシオにもよるが最高速は200km/hをマークするという。
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フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクターのヨースト・カーピト氏は、「WRCへの参戦はわれわれにとって大きな挑戦です。約2年間をかけてポロR WRC 2013を開発し、 体制を整えてきました。しかし、WRC は新参のチームがすぐに勝てるほど甘い世界ではありません。参戦初年度である2013年は何度か表彰台に立つことが目標です。1年間かけて実戦で技術と経験を蓄積し、それを反映する2014年のマシンで優勝を目指す。そして2015年にタイトル争いができればと考えています。2013年1月の開幕戦ラリー・モンテカルロに向けてさらにテストを行い、万全の体制で出場できるようチーム一丸となって頑張ります」と意気込みを語っている。

果たしてどんな活躍を見せてくれるのか? 2013年のWRCは目が離せない!

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(Text by S.Ubukata)

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