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Author:石川 隆

1967年生まれ。国家2級ガソリン整備士。現在、イシカワエンジニアリングを経営中。

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Q:ブレーキパッドについて? (前編)
100420ITT01.jpgQ:ブレーキに関する質問です。よくダストの出ないブレーキパッドというのがありますが、これはブレーキが効かなくなるのでしょうか?またパッド交換では効きがよくならないと友人に言われました。ブレンボのようなブレーキに交換しないと効きはよくならないでしょうか?

A:ドライバーがクルマに求めるのは「速く走る」、「快適に走る」という走ることへの要求ばかりではなく、実は「止まる」というブレーキに関する不満や要求は非常に多い相談のひとつです。 ついつい、「止まる」ということについてはおろそかに考えがちですが、快適にストレスなく乗るためにはブレーキはとても重要なファクターです。 今回は「止まる」ことに重要な役割を持つブレーキパッドについて考えてみます。

ブレーキのダストや効き、フィーリングに関してご不満を抱かれるくユーザーはたくさんいらっしゃると思います。では、これらの不満点を改善するためには大きく分けると二つの選択肢に分かれます。一つは、純正ブレーキの場合であればブレーキパッドの変更による改善。二つ目はブレーキを社外製に変更し大型化を図るケースです。

100420ITT002.JPGこちらのブレーキは純正のブレーキキャリパーです。(VW Golf6 TSI Highline) 純正ブレーキシステムで効きを良くするためにはブレーキパッドの摩擦材の材質を変更して改善を図ることができます。
100420ITT003.JPGこちらはブレーキキャリパーやブレーキローターを大型化したブレーキキット。ブレーキキャリパーのピストンは対向式になり4ピストン、6ピストン、8ピストンなどが使用目的や車種によって設定されています。純正と比較すれば格段にブレーキの制動性能は向上します。ただし、純正ホイールを使用できなくなる欠点があります。(写真は、ap Racing製 6ポット)

100420ITT004.jpgブレーキの大型化は装着できるホイールも制限されることが多く、初期投資費用が何十万円もかかってしまうほど高価な変更になってしまいます。ブレーキパッドの変更であれば、純正ブレーキパッドを社外製のブレーキパッドに変更するだけで済みますので費用は比較的安価です。社外製のブレーキパッドは、製造メーカーによっても設定や特性、価格などは様々ですが、大まかに分類すると下記のタイプに分かれます。(同じ車種用のブレーキパッドでも摩擦材の違いにより色が変わります)

1.市街地走行向けの低ダストタイプ。
2.市街地や高速道路を想定した純正よりも効きの良いタイプ。
3.サーキット走行を可能にするスポーツタイプ。

これらのタイプはどのように分かれているのでしょうか? 答えは、摩擦材の違いによるものです。 ブレーキパッドはスチール繊維や金属粉、カーボンファイバーなどなど様々な原材料を混ぜ合わせて作られ、原材料の配合により使用目的に合った特性を作り出しています。

100420ITT005.JPGブレーキパッドは摩擦材の持つ摩擦係数と使用温度による摩擦係数の変化で性能や特性を判断することになります。具体的には、市街地向けのブレーキパッドの場合は適正な使用温度域と摩擦係数は低めになり、サーキットなどのスポーツ走行向けでは高い使用温度域で高摩擦係数となります。(ブレーキパッドの摩擦材原材料の一例)
ブレーキパッドは原材料の配合により、低ダストタイプからサーキットでの使用をも可能にするタイプまで製作することが出来ますが、すべての要件を満たすことは出来ません。つまり、低ダストタイプの摩擦材ではサーキット走行は出来ませんし、サーキット走行用の摩擦材で市街地で使用すれば、ブレーキローターは減り、ダストはひどく、ブレーキ鳴きが発生します。したがって、ブレーキパッドはご自身の使用環境に適したものを選ぶ必要があります。

純正ブレーキパッドの場合では、カーメーカーが想定した使用用途に適した摩擦材を採用しているわけですが、使用するユーザーによって使用環境や個人差などで効き具合に違和感を感じるケースやダストに悩むことがあるわけですね。

低ダストを目的にブレーキパッドを低ダストタイプに変更したところ、ブレーキの効きが落ちたり、純正のブレーキパッドよりも低い温度域でフェードを起す場合もあり、長い下り坂での使用では危険を伴う場合もあります。

では、低ダストタイプはすべて純正ブレーキパッド以下かといえば、そういうことではありません。製造メーカーにより純正ブレーキパッドのフェードテストを行い、純正ブレーキパッドと同等かそれ以上の摩擦材を開発しているメーカーもありますので、どのようなテストを行っているのかを簡単にご紹介します。

100420ITT006.JPG摩擦材の開発段階では、ブレーキダイナモテスターにより摩擦材の摩擦係数と温度による変化をすべて記録します。

100420ITT007.JPGブレーキに様々な負荷を与えて、ブレーキ鳴きの発生状況を記録します。

100420ITT009.JPGサーキットにおいて、低ダストタイプからサーキットタイプのテスト用ブレーキパッドを実際に使用して、フィーリングの変化やフェードの発生温度を記録します。
このようにテストして開発されたブレーキパッドであれば、低ダストタイプのブレーキパッドの場合でも純正より性能が劣るということはまずありませんが、車種によっては純正ブレーキパッドでも高めの摩擦係数を採用している場合もあり例外もあり得ます。例えば、GOLF5 R32やPassat R36、AUDI TTS、TT-RS、S3などはダストが多いのはそのような理由です。

高性能で高出力のグレードを購入したが、実際にそのような運転や使用用途では使用しないというユーザーの場合、低ダストタイプのブレーキパッドを使用するケースも多く見かけます。

100420ITT010.JPGブレーキパッドを社外品にする場合は、自身の使用環境に適したブレーキパッドを選ぶ必要があり、必ず改善する優先順位を決めましょう。 次回は、ブレーキパッドの種類を、『iSWEEP』を例にご紹介しますので、ご自身ならどれを選ぶか参考にしてみてください。

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