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Author:石川 隆

1967年生まれ。国家2級ガソリン整備士。現在、イシカワエンジニアリングを経営中。

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Q: オイル交換時のフラッシングの必要性
090805Ishi005.jpgQ:エンジンオイル交換時にフラッシングは必要なんですか?どのくらいの走行距離や年数で行うんですか?



090805Ishi004.jpgA:エンジンのフラッシングに関しては、様々なケミカルや専用の機械を使用して内部洗浄を行なうタイプなどいろいろとありますが、基本的な考え方としては、エンジン内部にスラッジ等の汚れが堆積していると思われる場合に簡易的に行なう内部洗浄です。新車時のような状態を求めるのであればエンジンを分解して各パーツを洗浄すれば、ピストン上部や燃焼室、バルブに至るまできれいにカーボンやスラッジを除去できます。しかし、何かしらエンジン自体に不具合を抱えている状態でなければ、あえてエンジンを降ろして分解するとうことは時間的にも費用的にも現実的ではありません。そのようなことからも簡易的に行なえる方法として有効な手段だと思います。

では、エンジンフラッシングによりどのような状態を改善することができるのでしょうか。それはエンジンの内部を循環している、エンジンオイルに含まれるポリマーなどの成分が燃焼による熱の影響によりスラッジに変質しエンジン内部やオイルラインの壁面、ピストンリングに徐々に堆積してしまいます。スラッジの堆積が進むと潤滑不 良やピストンリングの固着などが起こる可能性があり、故障や圧縮不足を引き起こす可能性もあります。このように堆積したスラッジをエンジンを分解することなく除去するためにエンジンフラッシングを行ないます。

090805Ishi003.jpgエンジンフラッシング剤は通常、古いエンジンオイルを抜く前にオイル注入口から適量を注入し、エンジンをアイドリング状態で15~20分程度保ち、その後にドレンボルトから古いオイルと一緒に抜き取ります。フラッシング剤はアイドリングを保っている間中にエンジンオイルと混ざることでエンジン内部を駆け巡りスラッジを落とす作用があります。
実際にエンジンフラッシングを行なう必要性については、3000~5000km毎に交換されている方にはそれほど必要はないでしょう。エンジンオイルには添加剤の一種として金属清浄剤が含まれていて、清浄作用がありますから良いコンディションで保たれていると思います。

090805Ishi002.jpg必要な場合の例としては、エンジンオイル交換の周期が1万キロ以上、補充しながら1万キロ以上を無交換で使用してる場合は、状況によりフラッシングを行なった方が良いでしょう。以前もこのコーナーでエンジンオイルの交換時期についてお話させていただきましたが、正規ディーラーが推奨するエンジンオイル交換サイクルは環境問題に配慮した廃油削減が目的です。環境保護を優先する観点から見れば、エンジンの内部が多少汚れても、エンジンオイルが適量入っていれば致命的な故障の可能性は低いという見解だと思います。もし、エンジンオイルの注入口キャップを取り外し、裏側に焦げ茶色い固形の汚れが付いているような場合は、交換作業を行なうメカニックと相談してフラッシングを行なうことで少しでも良い状態にすることができると思います。

090805Ishi001.jpgエンジンフラッシング剤はスラッジ等の汚れを落とす効果とエンジンオイルを希釈させてしまう働きもあります。内部のオイルは完全に抜くことはできませんので、グレードの低いオイルでも構いませんから一旦適量を補充してアイドリングで10分程度運転させた後に再度エンジンオイルを抜いてください。その後にオイルフィルターは必ず交換し、実際に使用するエンジンオイルを入れていただくことで、残留したフラッシング剤の影響を受けずにエンジンオイルを好ましい状態でご使用できます。

最終的にはオーナー様の判断になりますが、ご自身が所有されている間はエンジンの内部も良いコンディションで乗りたいと思われているのであれば、エンジンフラッシングに依存せずに定期的な交換を行なう方が費用も安く済むかも知れません。

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