130513-GTI-92.jpg短時間のテストドライブにもかかわらず、印象に残ったクルマがある。「ゴルフGTIパフォーマンス」だ。

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実は、ゴルフ7GTIにはふたつのバージョンが用意されている。ひとつは220psの2.0 TSIエンジンを積む標準のゴルフGTI。そして。もうひとつがプラス10psの230ps仕様を搭載する「ゴルフGTIパフォーマンス」だ。

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130523-GTI-11.jpgプラス10psの2.0 TSIエンジンは、見た目はノーマルと変わらないし、最大トルクも350Nmと同じ数値。0-100km/h加速は220psの6.5秒に対して230psは6.4秒、最高速はそれぞれ246km/hと250km/hと、確かにパフォーマンスは向上しているが......。
その一方で、「たった10psアップのためにエクストラを払うのか?」と思う人も少なくないはずだ。そのあたりをゴルフGTIの開発責任者、アルベルト・メルッゾウ氏に尋ねたところ......

「ゴルフGTIパフォーマンスは、パワーアップしたエンジンを提供するのが目的ではありません。ダイナミックなハンドリング性能を実現するためのクルマです」


130523-GTI-12.jpgそのあらわれが、GTIパフォーマンスだけに装着される電子制御フロントディファレンシャルロックだ。これまでもESCの制御によりディファレンシャルロック機構を提供してきたが、GTIパフォーマンスでは独立したハードウェアでデファレンシャルロックを実現するのだ。
電子制御フロントディファレンシャルロックは、コーナリングなどの際に前輪のどちらかが空転すると、多板クラッチを作動させて駆動トルクをグリップの高いホイールに配分。さらに、コーナー出口で加速する場合、外側のホイールにより多くのトルクを配分することでアンダーステアの軽減を図る、いわゆる"トルクベクタリング"機能を備えている。

ブレーキの強化も見逃せない。標準が前:314×30mmのベンチレーテッドディスク、後:300×12mmのソリッドディスクであるのに対し、GTIパフォーマンスには前:340×30mmのベンチレーテッドディスク、後:310×22mmのベンチレーテッドディスクが奢られる。

フロントのブレーキキャリパーに記された「GTI」の文字が、GTIパフォーマンスの証である。

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試乗会の最後にチョイ乗りすると......。3000rpm付近からのトルクの盛り上がりが、標準のGTIよりもドラマティックなのだ。しかも、220ps版の2.0 TSIエンジンよりも、高回転の吹け上がりが一段と力強い。数字だけでは予想できなかったが、エンジンのフィーリングが明らかにスポーティさを増している。

そして、カンジンの走りは、存分に試す機会がなかったものの、ノーマルのGTIに輪をかけてオン・ザ・レールのハンドリングが楽しめる。アンダーステアは顔を出す気配すらなく、コーナー出口で早めにアクセルペダルを踏んでいけるのがいい。

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さて、ドイツでのゴルフGTIの価格は、220ps版が2万8350ユーロからであるのに対し、GTIパフォーマンスは1125ユーロ高の2万9475ユーロから。約15万円の差なら、GTIパフォーマンスを買わない理由はない。

ただ、フォルクスワーゲン グループ ジャパンによれば、導入を予定しているのは標準のGTIのみで、現時点ではGTIパフォーマンスは導入するかどうかを検討中とのこと......。

いやいや、GTIパフォーマンスは最初から導入すべきだろう。エクストラを払っても、それ以上の魅力がGTIパフォーマンスにはあるのだから。

(Text by S.Ubukata / Photos by Volkswagen Group Japan)

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