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【塩見のThink through.】4ドアクーペあれこれ
120725-CC-01.jpgフォルクスワーゲンCCが出ましたね。プジョーだとCCは「クーペ・カブリオレ」ですが、フォルクスワーゲンだと「コンフォート・クーペ」ですか。



■4ドアセダンのルーツは?

忘れていましたが、「日産マイクラC+C」(マーチじゃなく日本でも「マイクラ」のまま少数限定で売った)というRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)のクルマもありました。C+Cミュージック・ファクトリーというダンス・ミュージックのユニットもありました。どっちもCで始まる苗字だからC+C〜。Everybody Dance Now♪ そういえば、C&Cカレーというチェーン店もあります。私はココイチ派ですが。

120725-CC-02.jpgフォルクスワーゲンのCCは、今流行の4ドアクーペというやつです。本来4人乗りのクルマのボディがCoupéされたクルマ、つまりは2人乗りのクルマというわけです。
「クーペ(coupé)」は本来、英語の「cut」と同義のフランス語です。cutは過去形も過去分詞形もcutですが、ここでは過去分詞のcutの意味。つまりボディを切られたクルマということです。もともとは馬車の時代の言葉ですが、ほかにも「フェートン」や「カブリオレ」など、ボディ形状を示す言葉はなぜかフランス語が多いですね。

けれども、いつからか4ドアのクルマにもクーペという呼称を用いるようになりました。50年代のアメリカ、キャデラックあたりが、クーペを名乗ってはいないものの、セダンとは別に、よりルーフが低く、パーソナルな性格の強いオルタナティブ・バージョンという意味で、元祖4ドアクーペではないかといわれています。

最初に名乗ったのは「ローバー3リッター」だと聞きました。また、クーペとは別に「ハードトップ」という言葉も昔からあります。70〜80年代の多くの国産4ドア車が、セダンとハードトップという2バージョンが設定されていました。この時代のハードトップとクーペは、わりとよく似た言葉として用いられていたような気がします。安全性確保の面から4ドアハードトップが減り、代わりに、4ドアハードトップに見えるけれど、実際にはブラックアウトしたBピラーがあるピラード・ハードトップなどが増えました。

■CLSが口火を切った

その次にどういうブームがやってきたかーー。ご存じ、1985年に登場した「カリーナED」に端を発する4ドアクーペブームです。カリーナEDは大ヒットし、「コロナ・エクシブ」という兄弟車を生むとともに、「日産プレセア」「三菱エメロード」「マツダ・ペルソナ」といったフォロワーを生み出しました。若い人は知らないかもしれませんが、本当にブームだったのです。3ボックスの4ドアなんですが、セダンよりも低いルーフでサッシュレスドアというクルマたちが増えました。この4ドアクーペブームは10年弱続いたでしょうか。

ただし、同時期に「三菱ギャラン」が復活し、ザ・セダンと呼びたい無骨な4ドアセダン・スタイルで孤軍奮闘していました。あ、「レガシィ」があったか。レガシィも4ドアクーペブームとは無縁でした。この頃は本当に景気がよくて、同時にハイソカーブームも到来しており、80年代後半から90年代前半にかけて、「マークⅡ」も「クレスタ」も「チェイサー」も売れに売れました。

その後、クルマのボディタイプは多岐にわたり、クロカンブームやミニバンブーム、それからコンパクト全盛、現在のエコカーブーム......と続くわけです。

そして、栄華を誇った日本の時代は終わり、プリウスと軽自動車、あとはミニバンしか売れなくなった現在、欧州から日本人にしてみれば周回遅れの4ドアクーペ・ブームがやってきました。

まずは「メルセデス・ベンツCLS」。メルセデスはそれまで居住性のためにピラー立て気味というのがお約束でしたが、その禁を破って登場したのが低いEクラスこと、CLSでした。BMWやアウディの台頭によって、メルセデスもとっくに唯我独尊ではいられなくなっていました。

アウディはA4とA6を間を埋めるように「A5クーペ」がベースの「A5スポーツバック(ハッチバック)」を出しました。これはアウディ流4(5)ドアクーペと呼べるでしょう。BMWもつい最近、6シリーズ・クーペの4ドア版、「6シリーズ・グランクーペ」を発売しました。もしかしたら、その前に出た「5シリーズ・グランツーリスモ」も流れに乗ろうとしたのかもしれませんが。

■日本が欧州に影響を与えたか否か

例によって話は大きくそれましたが、フォルクスワーゲンも2008年に、パサートを低く長くした「パサートCC」という4ドアクーペを出しました。そして2012年、今度は車名をフォルクスワーゲンCCとし、より独立させたモデルとしてモデルチェンジしました。1.8L直4ターボエンジンを積んだ500万円前後のセダンですから、1000万円弱のCLSや6グランクーペあたりとはちょっとクラスが違い、同じグループのA5スポーツバックとか、非ドイツ系スタイリッシュセダンたる「キャデラックCTS」や「ジャガーXF」あたりと比較されるのでしょうか。日本車だと「フーガ」や「スカイライン」、「レクサスIS」あたりかもしれませんね。

遠い昔に日本人が経験した4ドアクーペブームが今、欧州で起こっているということなんでしょうか。かつて日本車はアメリカで流行したものが10〜20年後に流行するといわれました。ステーションワゴン、SUV、ミニバンなどはそのとおりでした。流行らなかったのはピックアップトラックだけ。まぁ、あれは広い道路と駐車場が必要ですし、アメリカ人はあれをクルマじゃなく馬だと思って乗ってますが、日本にはカウボーイ文化はないので、流行しないのも理解できます。

今度は日本発の4ドアクーペブームが、数十年を経てドイツ人に波及したかというと、ちょっと脈絡がなさすぎて繋げられませんが、長らく保守的だったヨーロピアンメーカーも、ユーザーの多様性に応えるべく、4ドアクーペをはじめ、モノスペースやSUVなど、多様なボディ形状を好むようになったということだけでは確かなようです。

ちなみに、僕自身はどの4ドアクーペも好みではなく、自分で買うとしたら同じプラットフォームを使うセダンを選ぶと思います。

(Text by S.Shiomi)

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